梅雨の時期にシロアリを警戒しておきたい理由を徹底解説

梅雨の時期にシロアリを警戒しておきたい理由を徹底解説

梅雨が訪れると、湿度が高くジメジメした日が続くようになることから、私たち人間にとって非常に過ごしにくい時期となります。

しかし、シロアリにとっては絶好の環境であり、また、大量の羽アリが一斉に飛び立つ時期でもあります。

羽アリの大量発生を確認した場合、どうしたらよいのか焦ってしまう人も少なくありませんが、本当に警戒すべきは他にもあることは知っておく必要があるでしょう。

そこで今回は、梅雨の時期にシロアリを警戒しておきたい理由について、徹底解説いたします。

梅雨の時期にシロアリを警戒しておきたい理由

シロアリは、土の中にコロニー(巣)を形成し、ひとつの組織として行動しているため、人の目にふれることはめったにありません。

しかし、梅雨の時期になると、シロアリの一部が羽アリとなって地上へ一斉に飛び立ち、多くの人の前に現れるようになります。

ところが、羽アリとなって飛び立つのは、コロニー内のわずか1%程度であり、その他の仲間はいつものようにエサを食べ、そして繁殖しているのです。

羽アリが大量発生しても1週間程度で落ち着きますが、実はその100倍ものシロアリがコロニー内に存在し、休むことなく活動を続けています。

つまり、地上に現れた羽アリだけでなく、それ以上の脅威が潜んでいることがシロアリを警戒しておかなければならない理由です。

羽アリが飛び立つ時期について

羽アリは、種類によって飛び立つ時期が異なります。

日本国内のシロアリによる家屋の被害は、「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」が多くを占めています。

そして、近年では外来種の「アメリカカンザイシロアリ」も増加傾向にあることも注意が必要となります。

これら3つの種類の羽アリが飛び立つ時期は以下の通りです。

  • ヤマトシロアリ:4~5月頃
  • イエシロアリ:6~7月頃
  • アメリカカンザイシロアリ:6~9月頃

なお、シロアリの活動時期については以下の記事を参考にしてください。

また、羽アリが発生したとしても、必ずしもシロアリとは限りません。

実は、黒アリも羽アリとなって5~11月の間に発生しますが、シロアリのように木材を食い荒らすことはないため、家屋への直接的な被害はないと考えられます。

なお、シロアリと黒アリには以下のように体形の特徴が異なるため比較的容易に判別できます。

羽アリ

シロアリが梅雨の時期に羽アリとなって飛び立つ理由とは

シロアリの一部が羽アリとなって巣を離れるのは、コロニー内の個体が増えすぎることで、バランスを保つことが目的のひとつと考えられています。

なぜなら、シロアリの女王アリは、休むことなく大量の卵を産み続け、爆発的な繁殖力があるためです。

そして、コロニーの規模がある程度大きくなると、一部のシロアリが羽アリとなって地上へ飛び立ち、新たなコロニーを形成します。

この羽アリが飛び立つ時期が梅雨の時期と重なるわけですが、一説には湿気が関係しているともいわれています。

というのも、羽アリが発生するのは雨の降り続いた後の晴れ間など、湿度が高く気温が上昇したタイミングであることが多いのです。

よって、梅雨の時期に自宅周辺でシロアリが飛んでいるのを見つけた場合は、さらに多くのシロアリが潜んでいることが予想されます。

その場合、家屋はすでに被害を受けている可能性を疑うことも重要となります。

梅雨の時期はシロアリだけでなく木材腐朽菌にも注意

梅雨の時期は、シロアリだけでなく、木材の腐れを引き起こす「木材腐朽菌」にも注意が必要です。

「木材腐朽菌」とは、木材の劣化現象である「腐れ」を引き起こす原因となる菌のことをいいます。

「木材腐朽菌」は、木材を構成する主要成分「セルロース」「ヘミセルロース」「リグニン」を分解し、それらを栄養源としています。

「腐れ」が進行すると、木材の強度は著しく低下し、それが重要構造であれば建物の寿命にも大きな影響を及ぼすのです。

「木材腐朽菌」は、以下の4つの要素がすべて揃ったときに発生します。

  • 酸素
  • 適温
  • 栄養分
  • 水分

これらのうち、いずれかを排除することで予防できますが、基本的に酸素と温度についてはコントロールできません。

よって、栄養分となる木材の多い住宅の床下などは、水分を供給しないようにすることがポイントとなるのです。

しかし、梅雨の時期になると、基礎の換気口から湿気を含んだ空気が流入するため、どうしても湿度は上昇してしまいます。

その他にも、雨漏りや漏水が生じていたり、あるいは地面から湿気が上昇したりする環境では、「木材腐朽菌」の発生を防ぐことは難しくなります。

また、「木材腐朽菌」が発生する環境は、シロアリにとっても都合のよい環境です。

そのため、住宅の湿気対策は、きわめて重要なテーマであり、とくに梅雨の時期には注意が必要となるのです。

まとめ

梅雨の時期になると、普段は土の中で暮らしているシロアリの一部が羽アリとなって一斉に地上へ飛び立ちます。

しかし、羽アリとなって地上に現れるのは、コロニーのなかのごくわずかに過ぎません。

そのため、自宅周辺で羽アリを見つけたら、すでに被害を受けている可能性を疑い、できるだけ早く専門業者へ点検を依頼することをお勧めいたします。

ヤマト産業でも、床下の無料調査を実施しています。

シロアリを見つけた方や駆除を検討している方は、お気軽にご相談ください。

中岡 亘由

この記事を監修した人

ヤマト産業取締役。シロアリ業界歴約30年。”コワモテ”だが、部下からは優しいと定評があります(笑)シロアリ駆除、防除、雨漏り防水のコトなら何でも聞いてください!

更新情報

About

京都のシロアリ駆除・雨漏り防水工事専門業者ヤマト産業。寺社仏閣や大手会社の請負歴30年、1000件以上の実績。表面波による地盤調査では取り扱い件数No.1の実績があります。シロアリ駆除・雨漏り防水のほか、地盤調査、害虫・害獣駆除、断熱工事、その他リフォームもお任せ!京都・大阪・奈良エリア対応可。