シロアリの被害は建物全体について注意を払う必要がありますが、とくに被害を受けやすい場所のひとつが風呂場周辺となります。
というのも、風呂場の周辺には、シロアリにとって都合のよい環境が生じやすいためです。
とくに、築年数の古い建物は注意が必要で、気が付かない間に被害が拡大していたということも珍しくありません。
そこで今回は、シロアリの被害が風呂場周辺でとくに発生しやすい理由について、また、風呂場周辺での駆除方法なども解説いたします。
【目次】
Toggleシロアリが風呂場周辺で発生しやすい理由とは
シロアリが風呂場の周辺で発生しやすいのは、シロアリにとって都合のよい環境が生じやすいことが大きな理由です。
シロアリにとって都合のよい環境とは、例えば以下のことが挙げられます。
- 湿気が多い
- エサがある
- 日当たりが悪い
湿気が多い
シロアリは、乾燥を嫌い、湿気の多い環境を好みます。
風呂場は、毎日水を使うため、当然に湿気が多くなる場所です。
とくに、モルタルやタイルでつくる在来工法の風呂場は、経年とともにひび割れなど劣化症状が現れ、そこから水漏れが起こることも珍しくありません。
シロアリが生育するうえで「水」は必須であり、その「水」が豊富にある風呂場周辺はシロアリにとって非常に都合のよい環境です。
エサがある
シロアリは、エサを求めて建物内に侵入しますが、そのエサとなるのは木材です。
とくに、木造住宅であれば、風呂場の裏側には土台や柱など建物にとって重要な構造である木材が使われています。
そして、浴室への出入り口となるドア枠にも木材が使われているケースもあるなど、シロアリのエサとなるものが多くある場所のひとつです。
このような場所に水分が供給されると、木材は柔らかくなり、シロアリにとってはより食べやすくなります。
また、水分を含んだ木材は、木材腐朽菌の発生にも注意が必要です。
木材腐朽菌が繁殖すると、質量低下により強度は著しく低下し、それが重要構造であれば建物の耐久性にも大きな影響を与えます。
シロアリと木材腐朽菌は、いずれも好む環境が共通していることから、建物を守るためにも、水分の多い風呂場などは十分な対策が必要です。
なお、シロアリのエサに関する詳しい内容は、以下の記事を参考にしてください。
日当たりが悪い
シロアリは、光や乾燥を嫌い、日当たりが悪くジメジメした環境を好みます。
風呂場の床下や壁内は、当然に日当たりが悪く、加えてジメジメしていることから、シロアリにとって非常に都合のよい環境です。
そのような環境を好んでシロアリ専用通路である「蟻道」をつくり、エサを求めて建物内を移動します。
風呂場周辺のシロアリ駆除の方法について
シロアリ駆除は、「公益社団法人日本しろあり対策協会」の「施工仕様書」の基準に則り、以下の方法で行います。
- 木部薬剤注入
- 土壌散布
- 壁面・土間薬剤注入
以上の方法により、最も被害を受けやすい床下の駆除は効果的に行えます。
なお、シロアリ駆除の方法に関する詳しい内容は、以下の記事を参考にしてください。
しかし、風呂場周辺は、シロアリが発生しやすい場所でありながら、駆除が難しい場所でもあります。
というのも、風呂場の床下というのは人の身体が入るだけのスペースがなかったり、またそもそも基礎に囲まれて入れなかったりなど、薬剤の散布が物理的に難しい場所なのです。
そのため、風呂場周辺のシロアリ駆除は、少し異なる方法で行う必要があります。
その方法とは、風呂場のタイルの目地部分やドア枠の根元部分に穴をあけ、そこから薬剤を注入する方法です。
当然ですが、壁の裏や床下の状況は目視で確認できないため、施工業者の経験値や知識が活かされる部分となります。
ちなみに、業者によっては、風呂場周辺については床下から入れないという理由から、省略してしまうケースもあることは注意しておかなくてはなりません。
なぜなら、非常にシロアリが発生しやすい場所であり、この場所から重要構造へ、さらには建物全体へ波及する可能性があるためです。
そのことを許容するのは、きわめて大きなリスクとなり得ます。
よって、風呂場周辺のシロアリ駆除は、とくに注意して行っておきたい場所なのです。
まとめ
風呂場周辺は、シロアリにとって都合のよい環境になることから、多くの被害が確認される場所です。
そのため、シロアリの駆除および予防については、とくに慎重に行っておくことがポイントとなります。
ヤマト産業では、30年近くもの経験に基づくノウハウと、安心な自社施工により、死角となりやすい風呂場や玄関などの施工も入念に行っています。
シロアリの不安を感じていらっしゃる方は、どのような些細なことでも遠慮なくお問い合わせください。