シロアリは、木材をエサとしていることから、住宅が被害を受けると、あらゆる部分がボロボロにされてしまいます。
では、シロアリの被害を受けた家は、その影響により倒壊してしまうのでしょうか?
結論として、シロアリの被害を受けても、直ちに倒壊することはありません。
しかし、その状態を放置すると、万が一の地震発生時には、不測の事態を引き起こす可能性があります。
また、シロアリの被害を受けた場合、建物を以前の健全な状態に回復することは簡単ではないため、しっかりと対策を施しておくことも忘れてはなりません。
そこで今回は、大事なマイホームがシロアリの被害を受けると倒壊することがあるのか、また倒壊しないための効果的な対策とはどのような方法なのか、詳しく解説いたします。
【目次】
Toggleシロアリの被害を受けた家は倒壊する?
シロアリが住宅内に侵入し、エサとなる木材があると、それらを加害します。
しかし、シロアリ被害を受けたからといって、直ちに倒壊するわけではありません。
とはいえ、建物が正常な状態を保っているのかといえばそうではなく、場合によっては著しく耐久性を低下させる恐れがあることは十分な注意が必要です。
シロアリ被害を受けた家は地震発生時に倒壊する可能性が高まる
シロアリ被害を受けた家は、直ちに倒壊することは考えにくいとはいえ、万が一の地震発生時には、倒壊の可能性は高くなってしまいます。
1995年に発生した「阪神淡路大震災」では、非常に多くの住宅被害をもたらしましたが、全壊した建物のなんと約90%がシロアリの被害を受けていたことが明らかになっています。
一方で、シロアリ被害がない建物の全壊は約20%と、その違いは顕著です。
以上のことから、シロアリの被害を受けた家は、地震発生時の倒壊リスクが非常に高いということがわかります。
つまり、地震大国である日本では、地震に強い家づくりを行ううえでシロアリ対策は欠かせない要素といえるのです。
耐力壁の被害を受けた家は倒壊する可能性が高まる
「耐力壁」の被害を受けた家は、万が一の地震発生時、倒壊する可能性がより高まります。
地震大国である日本では、家族が安心して暮らしていくためにも地震に強い家づくりが重要になることはいうまでもありません。
地震に強い家とは、さまざまな要素が必要となりますが、そのひとつに「耐力壁」の設置が挙げられます。
「耐力壁」とは、いくつかの種類がありますが、なかでもよく見られるものといえば、柱と柱の間に斜めの補強材を入れた、いわゆる「筋交い」を設けた壁です。
「耐力壁」は、量やバランスなど、適正に配置することで、地震発生時の揺れに対して強い家をつくることが可能となります。
しかし、その一方で、正常に機能しないと揺れに耐えることはできません。
そのため、「耐力壁」がシロアリの被害を受けると、必要な耐力は損なわれ、倒壊するリスクが一気に高まるわけです。
床下にシロアリが侵入すると、当然に「耐力壁」についても被害を受ける可能性があるため、できるだけ早く対処することが重要になります。
腐れが生じている家は倒壊する可能性が高まる
重要構造に腐れが生じている家は、万が一の地震発生時、倒壊する可能性が高まります。
そして、建物にとって脅威となるのはシロアリだけではありません。
「木材腐朽菌」は、シロアリと同様に木材の主要成分を分解して栄養源としているため、発生により、著しい強度低下を引き起こす恐れがあります。
また、「木材腐朽菌」は、「栄養」「温度」「水分」「酸素」の4つの要素がすべて揃った環境を好み、生育します。
これは、シロアリが好む環境でもあることから、例えば「木材腐朽菌」が生育していると、シロアリの被害も同時に受けているといったケースも珍しくありません。
住宅においては、小屋裏や壁内、床下などが「木材腐朽菌」の好む環境になりやすく、耐力壁などの重要構造に影響が及ぶと、必要な耐力は損なわれ、倒壊するリスクは一気に高まります。
なお、「木材腐朽菌」に関する詳しい内容は、以下の記事を参考にしてください。
シロアリの被害を防ぐ効果的な対策とは
シロアリの被害は、どのような住宅でも受ける可能性があるため、しっかりと対策をしておくことが重要になります。
シロアリの被害を受けないための効果的な対策とは、おもに以下のことが挙げられます。
- シロアリの好む環境をつくらない
- 薬剤散布による予防
シロアリの好む環境をつくらない
シロアリの被害を受けないためには、シロアリの好む環境をつくらないことが重要なポイントとなります。
シロアリが好むのは、おもに以下のような環境です。
- エサがある
- 湿気が多い
- 日当たりが悪い
このような環境が床下や建物周辺にできないよう、意識して取り組むことが重要になります。
なおシロアリが好む環境をつくらないための方法は、以下の記事を参考にしてください。
薬剤散布による予防
シロアリの被害を受けないためには、薬剤散布による予防を行うことが重要なポイントとなります。
シロアリは土の中に巣をつくって住処としており、地面の下から侵入してくるため、道筋となる床面に対して薬剤を散布しておくことで、効果的に予防できます。
なお、ヤマト産業が行う薬剤散布による施工は、以下の記事を参考にしてください。
まとめ
シロアリの被害を受けた家は、直ちに倒壊することはほとんどありません。
しかし、万が一の地震発生時には、本来有しているはずの耐震性を発揮できず、家族の安全を守れない可能性があります。
地震は、いつ、どこで起こるかわかりません。
地震発生時においても、本来の耐震性を発揮できるよう、シロアリ対策は必須となるのです。
ヤマト産業では、薬剤散布によるシロアリ対策のほか、木材腐朽菌対策となる床下の換気工事や調湿工事なども行っています。
シロアリや木材腐朽菌の対策を検討している方は、お気軽にご相談ください。