シロアリ駆除剤の注意点とは?薬剤ごとの安全性について解説

シロアリ駆除剤の注意点とは?薬剤ごとの安全性について解説

  • 「我が家に使うシロアリ駆除剤は、子どもや愛犬に害はないのだろうか?」
  • 「専門家に駆除を依頼した場合、環境に合った安全な薬剤を選んでくれるのか?」
  • 「駆除後の健康リスクが心配。特に、アレルギー体質の家族がいる場合、どのように対処すればいいのか?」
  • 「シロアリ駆除のために使用される化学薬品の長期的な影響は?」

シロアリ駆除に際して、このような悩みをお持ちの方もおられると思います。特に、子供やペットのいるご家庭では気になりますよね。

実際に、シロアリ駆除剤は、人間に対して影響が少ないものもあれば、使い方を誤ると健康被害につながりやすいものもあります。最優先すべきは、何より安全。シロアリ駆除剤の安全性については、正しい知識が必要です。

この記事では、シロアリ駆除剤の種類とそれぞれの安全性、注意すべき点を、シロアリ駆除歴30年、京都のヤマト産業が豊富な経験と専門知識に基づいて詳しくご紹介します。シロアリ対策を検討中の方は、ぜひこの情報を参考にしてください。

下記の動画にも概要をまとめたので、ぜひご覧ください!

シロアリ駆除剤の種類と基本情報

シロアリ駆除剤は、公益社団法人しろあり対策協会の認定する薬剤であれば、安全性について一定の基準で認定されていますが、その剤型や稀釈濃度に大きな違いがあります。ここでは、主な種類を紹介し、それぞれの特性について解説します。

ホウ酸

  • 安全性: 目薬などにも使用され、正しい使用方法であればリスクは低いですが、シロアリ対策協会では、人の健康や環境への悪影響があるとして防蟻薬剤として認定されていません。
  • 注意点: ホウ酸を使用する際は、子供やペットが触れない場所で使用し、直接肌や粘膜に触れないようにすることが重要です。また、雨に濡れる場所などの使用はできません。

ホウ酸は、ホウ素と酸素から成る無機化合物で、防腐剤、防虫剤、洗剤、殺虫剤、医薬品、火薬などに広く使用されています。白色の粉末で水に溶ける性質を持ち、混合物としても利用されることもあります。

ホウ酸はシロアリ駆除にも使われ、ホウ酸だんごや薬剤散布、木材への注入が代表的な方法で、シロアリが食べると消化器官に損傷を与えて駆除する仕組みです。

ただし、ホウ酸によるシロアリ駆除の効果が現れるまでには、数ヶ月程度かかります。

医薬品としては目薬やコンタクトレンズの保存液にも含まれ、哺乳類に対して高い安全性を持ちます。ただ、人間がホウ酸を摂取しても腎臓により排出されるため影響は限定的とされていたものの、実際に中毒者が出た例もあり、排泄には時間がかかるため注意が必要です。

ホウ酸は消化管・粘膜・皮膚から吸収され、排泄には5日以上かかります。特に腎尿細管上皮に対する毒性があり、致死量は乳児で2~3g、幼児で5~6g、成人で15g以上とされています。製造メーカーは安全性を強調していますが、危険性があり、半永久的に分解されないことを理解したうえで慎重に取り扱うことが大切です。

シロアリ駆除薬剤の注入

ネオニコチノイド系薬剤

  • 安全性: 昆虫に対しては高い毒性を持ちますが、哺乳類に対する安全性は高いとされています。一部では環境への影響が指摘されているため、慎重な使用が求められます。
  • 注意点: 使用時は、蜂などの有益な昆虫や環境への影響を最小限に抑えるよう注意し、必要以上の散布は避けることが望ましいです。

ネオニコチノイド系薬剤は、現在もっとも普及している薬剤であり、ニコチンに似た成分をもとに作られ、哺乳類には安全であるものの昆虫には有害な薬剤です。シロアリに対しては神経伝達を阻害し殺虫効果を発揮します。その特性から、シロアリは散布された薬剤に警戒せず、効果的に駆除できるとされています。さらに低臭性であるため、使用後にほとんど臭いを感じません。

しかし、蜂の大量死や漁獲量減少など一部の現象がネオニコチノイド系農薬の影響とされ、EUなどで規制がおこなわれてから、ネオニコチノイド系薬剤についての使用が警戒されています。ただし、農薬メーカーは因果関係の立証がないと反論しています。農林水産省も科学的に安全な農薬のみを登録していると主張していますが、そもそも問題となっている農薬は田畑への散布用であり、シロアリ駆除には関係ありません。

フェニルピロール系

  • 安全性: 毒性が強い為、取り扱いには注意が必要です。
  • 注意点: 使用時には換気をおこない、皮膚や呼吸器への露出を避ける必要があります。また、適切な保護具の着用を推奨します。

フェニルピロール系の薬剤は、ミトコンドリアにおける酸化的リン酸化の阻害をおこない、シロアリの呼吸障害を引き起こし、駆除を行います。人畜及び魚類に対し毒性が高く、使用時には注意が必要です。

フェニルピラゾール系

  • 安全性: 毒性が強い為、取り扱いには注意が必要です。
  • 注意点: 製剤によっては土壌への面状散布が出来ないものもあります。

この系統の薬剤は、神経伝達を阻害する効果があります。少量でも高い殺虫効果がありますが、使用には注意が求められます。忌避性がないため、シロアリが警戒せずに接触し、ドミノ効果(伝播効果)による効果が期待できます。

ピレスロイド系

  • 安全性: 人体への影響は比較的低いとされていますが、ピレスロイド系殺虫剤の中にはアレルギー体質の人やペットに刺激を与える種類があります。
  • 注意点: 使用後は十分な換気を行い、皮膚や目に触れないように注意することが重要です。また、水族館や池などの水生生物に対しては毒性があるため、水辺での使用は避けるべきです。

ピレスロイド系薬剤は、神経系を麻痺させることで即効性の高い駆除効果を発揮します。しかし、この薬剤は忌避性が高いため、予防措置としては適していますが、既に侵入したシロアリを駆除するのには限界があります。この薬剤の使用は、特に住宅の予防措置に適しているとされています。

カーバメート系

  • 安全性: 有効成分にシックハウスになる原因物質が入っている可能性があるので注意が必要です。
  • 注意点: 使用時には換気を十分に行い、長時間の露出を避ける必要があります。

カーバメート系薬剤は、シロアリの神経に作用し、興奮状態を引き起こして駆除します。しかし、この薬剤はシックハウス症候群の原因となる可能性があるため、使用に際しては慎重な判断が求められます。

ネオニコチノイド系以外の薬剤について補足

有機塩素系の薬剤が人体や環境に悪影響を与えたことを理由に禁止された事例が多くみられます。例えば、1950年代に主流だった「クロルデン」は1986年に使用禁止となり、後によく使われた「クロルピリホス」も2003年に禁止されました。

現代まで薬剤の研究開発が進み、シロアリ駆除効果だけでなく、人体や環境に対する安全性を考慮した薬剤が登場しました。

シロアリ駆除剤の安全性に関する考察

このようにシロアリ駆除剤は、それぞれ異なる特性を持っており、効果的な駆除と安全性のバランスを考えることが重要です。特に、家庭内での使用を考える場合、子供やペットの健康に影響を与えないように考慮しなくてはなりません。

また、なかなか一般的な判断は難しいところではありますが、地域や環境によって最適な薬剤が異なる場合があります。そのため、基礎的な情報に加えて、専門家の意見を求めることが望ましいでしょう。

ヤマト産業では、各家庭の状況に合わせた最適なシロアリ駆除策を提案し、安全で効果的な駆除を実現するために、これらの薬剤の特性と安全性について深い理解を持って対応しています。

シロアリ駆除剤の選択は、単に効果だけでなく、安全性や環境への影響も考慮することが重要です。当社のような専門知識を持つシロアリ駆除業者であれば、最適なシロアリ対策をご提供できますので、まずはお気軽にご相談ください。

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シロアリ駆除剤選びの重要性

シロアリ駆除剤を選ぶ際、単に効果の高さだけでなく、安全性や環境への影響を考慮することが極めて重要でることがお分かりいただけたでしょうか? 続いて、適切な駆除剤の選び方とその重要性についてポイントを解説しますね。

安全性と効果のバランス

シロアリ駆除剤の選択では、安全性と効果のバランスを取ることが最も重要です。特に家庭内で使用する場合、子供やペット、敏感な人に対するリスクを最小限に抑えつつ、シロアリを効果的に駆除する必要があります。

環境への影響

シロアリ駆除剤の環境への影響も重要な考慮事項です。特に、庭や屋外で使用する際は、地下水や周囲の生態系への潜在的な影響を考える必要があります。

専門家の意見を取り入れる

シロアリ駆除剤の選択においては、やはり専門家の意見を取り入れることが非常に重要です。信頼できる業者にぜひ相談してください。ヤマト産業では、シロアリの種類、侵入の程度、家庭の状況を考慮した上で、最も適切な薬剤を選定し、効果的かつ安全な駆除計画を立てています。

正しい使用方法の理解

適切なシロアリ駆除剤を選ぶだけでなく、その正しい使用方法を理解することも重要です。適切な量を使用し、必要な安全措置を講じることで、リスクを軽減できます。

シロアリの生態と行動パターンの理解

シロアリ駆除剤を効果的に使用するためには、シロアリの生態と行動パターンを理解することも重要です。ヤマト産業では、30年に及ぶシロアリ駆除歴を元に、シロアリの種類ごとに異なる行動特性を把握し、最適な対策を提案します。

長期的な視点で考える

シロアリ駆除は、一時的な対策に留まらず、長期的な視点で考える必要があります。効果的な駆除と予防策を組み合わせることで、将来的なシロアリの侵入を防ぐことが可能です。軽率な判断が、のちのちに大きなしっぺ返しとなって返ってくるケースを私たちもたくさん見てきました。そのようなことにならないよう、長期視点を持ってご判断いただくと良いと思います。

ヤマト産業スタッフ一同
シロアリ駆除歴30年!京都ヤマト産業のベテランスタッフたち

まとめ

この記事では、シロアリ駆除剤の種類、それぞれの安全性と注意点、選択の重要性について深く掘り下げてきました。シロアリ駆除は、単に薬剤を選ぶこと以上の意味を持ちます。それは、あなたの大切な家と家族を守ること、そして健康と環境に配慮することを意味します。ヤマト産業では、これらの要素を全て考慮し、各家庭に最適なシロアリ駆除策を提供しています。

京都、大阪、奈良エリアで活動しているヤマト産業は、シロアリ駆除の専門家として、安全性と効果のバランスを重視した駆除計画を立案します。関西エリアでシロアリ問題に悩まれておられるなら、ヤマト産業にご連絡ください。あなたの家と家族をシロアリの脅威から守るために、最善を尽くします。

中岡 亘由

この記事を監修した人

ヤマト産業取締役。シロアリ業界歴約30年。”コワモテ”だが、部下からは優しいと定評があります(笑)シロアリ駆除、防除、雨漏り防水のコトなら何でも聞いてください!

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京都のシロアリ駆除・雨漏り防水工事専門業者ヤマト産業。寺社仏閣や大手会社の請負歴30年、1000件以上の実績。表面波による地盤調査では取り扱い件数No.1の実績があります。シロアリ駆除・雨漏り防水のほか、地盤調査、害虫・害獣駆除、断熱工事、その他リフォームもお任せ!京都・大阪・奈良エリア対応可。