【賃貸住宅でシロアリが発生】責任と適切な対処法とは?

【賃貸住宅でシロアリが発生】責任と適切な対処法とは?

住宅にとってシロアリは脅威となる存在ですが、それは賃貸であっても同様です。

賃貸住宅でシロアリが発生し、そのことに気付くのは、貸主(オーナーなど)よりも実際に生活をしている借主のほうが多い傾向にあります。

また、シロアリが発生すると、建物の強度を低下させる原因となるため、できるだけ早く駆除を行うなど、必要な措置を講じなくてはなりません。

では、賃貸住宅でシロアリが発生した場合、誰の責任で駆除を行う必要があるのでしょうか?

そこで今回は、賃貸住宅でシロアリが発生したら誰が責任を負わなくてはならないのか、また借主がシロアリの存在に気付いたらどのように対処をとるとよいのか、詳しく解説いたします。

【賃貸住宅でシロアリが発生】その責任は?

賃貸住宅でシロアリが発生した場合、基本的に、貸主の責任で駆除するなどの措置をとらなくてはなりません。

このことは、貸主が負っている義務となります。

しかし一方で、借主がシロアリの発生を知っている場合は、貸主へ通知する義務があります。

この通知義務を怠った場合、貸主から責任を問われる可能性があることは注意が必要です。

貸主としての責任と借主としての責任について、以下に解説いたします。

貸主としての責任

賃貸住宅でシロアリが発生した場合は、貸主の責任で駆除などの対応を講じることが必要となります。

というのも、貸主には、建物を適切な状態で借主に使用させなくてはならないことが法律によって義務付けられているためです。

その法律とは、以下の通りです。

民法606条1項 賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。

民法 – e-Gov法令検索

以上のように、貸主は、建物を適切な状態で借主に使用させるために必要な修繕を行わなくてはなりません。

例えば、シロアリの食害が、土台や柱、筋交いなど、建物の重要構造にまで及ぶと、強度が著しく損なわれる可能性が高く、安全性に問題が生じます。

そのため、建物を適切な状態で借主に使用させるには、貸主の責任により、シロアリの駆除などを行う必要があるのです。

借主としての責任

借主には、賃貸住宅を借りている契約期間中は、社会通念上、要求される注意を払う義務、いわゆる「善管注意義務」を負わなくてはならないことが法律で定められています。

その法律とは、以下の通りです。

民法400条 債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。

民法 – e-Gov法令検索

要するに、借主は、借りている賃貸住宅を、自身の所有物と同様に、十分な注意を払い、管理しなくてはならないということです。

また、借りている賃貸住宅について、修繕が必要となる状況が生じた場合は、貸主に対し、できるだけ早くそのことを知らせなくてはならないことについても法律で定められています。

その法律とは、以下の通りです。

民法615条 賃借物が修繕を要し、又は賃借物について権利を主張する者があるときは、賃借人は、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならない。ただし、賃貸人が既にこれを知っているときは、この限りでない。

民法 – e-Gov法令検索

以上のように、借主には、賃貸住宅で修繕が必要な状況となった場合の通知義務があり、これを怠ると、修繕費用の負担を求められる可能性があります。

もちろんシロアリが発生している場合も同様であり、食害を受けている状態を放置して建物の構造を傷めると、修繕費用は高額になってしまうことも十分に考えられます。

よって、シロアリが発生していることに気付いたときには、まず貸主へ知らせ、駆除を行ってもらうなどの処置を講じることが重要です。

【賃貸住宅でシロアリが発生】適切な対処法は?

賃貸住宅でシロアリが発生していることに気付いた場合、貸主に知らせ、そのうえで必要な処置を講じてもらうことになります。

ただし、見つけたシロアリが本当にシロアリであるのか、確認することも重要になります。

というのも、最初にシロアリを見つけるのは、羽アリであることが一般的に多いケースですが、羽アリはシロアリに限ったことではなく、実は、黒アリの可能性もあるためです。

羽アリのシロアリと黒アリの違いは、以下の通り、体形の特徴をチェックすることで判断できます。

羽アリ

上記の特徴から、シロアリであることが確認できれば、できるだけ早く貸主に報告し、必要な処置を検討してもらうことになります。

また、借主の対処として注意しておきたいことは、「市販の殺虫剤の使用を避ける」という点が挙げられます。

なぜなら、市販の殺虫剤は、目の前にいるシロアリに対しては一定の効果が得られるものの、巣にいる何十倍もの仲間達に警戒を与え、かえって駆除を難しくしてしまうケースがあるためです。

よって、シロアリの駆除は、できるだけ市販の殺虫剤を使用するのではなく、専門業者に任せることをおすすめいたします。

とはいえ、なにもしないわけにはいかないケースがあるかもしれません。

そんなときには、以下の記事を参考に応急処置を施してみてください。

まとめ

建物がシロアリの被害を受け、それを放置すると、著しく強度を損ねる原因となります。

そのため、賃貸住宅でシロアリが発生した場合は、できるだけ早く貸主へ連絡し、適切に対処してもらうよう依頼することが重要です。

賃貸住宅のシロアリ駆除やその他修繕にかかる費用は、原則として貸主が負担することになります。

ただし、シロアリの存在を知りながら通知の義務を怠り、その結果として被害が拡大することがあると、借主に責任を求められるケースもあることは注意が必要です。

シロアリの被害から建物を守るため、対策を検討している方は、ヤマト産業までお気軽にご相談ください。

中岡 亘由

この記事を監修した人

ヤマト産業取締役。シロアリ業界歴約30年。”コワモテ”だが、部下からは優しいと定評があります(笑)シロアリ駆除、防除、雨漏り防水のコトなら何でも聞いてください!

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