春から夏にかけての時期は、シロアリの羽アリが大量発生することがあり、実際に目にしたという人も多いのではないでしょうか?
羽アリとは、その名の通り、羽のあるアリのことを指していいますが、大きくシロアリと黒アリに分けられます。
つまり、羽アリが現れたとしてもシロアリとは限らないということです。
しかし、黒アリは建物を食害することはないため、危険性は低いと考えられます。
重要なことは、羽アリがシロアリなのか黒アリなのか、見分ける必要があるということです。
そこで今回は、身の回りに現れた羽アリについて、シロアリと黒アリのどちらなのか、またシロアリならどのような種類なのか、その見分け方を詳しく解説したします。
【目次】
Toggleそもそも羽アリとは
羽アリとは、羽のあるアリという意味で、そう呼ばれています。
また、羽アリは、コロニー(巣)という組織のなかの一部に過ぎません。
シロアリや黒アリは、社会性のある昆虫といわれており、一定の時期になるとコロニーのなかの一部が羽アリとなって集団で飛び立ちます。
シロアリと黒アリのいずれにも羽アリが見られますが、住宅にとって注意するべきは、もちろんシロアリです。
シロアリの羽アリについて
シロアリは、ひとつのコロニーで、以下のように階級が分かれており、それぞれの役割を忠実に実行しています。
- 女王・王
- 副女王・副王
- ニンフ
- 兵アリ
- 職アリ
これら階級のうち、羽アリとなるのは「ニンフ」です。
「ニンフ」が成長し、最後の脱皮をしたときに羽アリとなります。
シロアリの繁殖力は凄まじく日々増え続けていますが、コロニー内の個体数が増えすぎると、その一部である羽アリが集団で飛び立ち、また新たなコロニーを形成することになります。
要するに、羽アリのおもな目的とは繁殖であり、離れた場所へ移動するために羽を持つわけです。
ちなみに、羽アリとなって飛び立つのはコロニーのわずか1%程度に過ぎず、その他の仲間はこれまでと変わらず採餌し、そして繁殖を続けます。
つまり、羽アリが発生した場所には、その100倍ものシロアリが存在していることを意味しており、それが建物であれば、被害を疑う必要があるということです。
また、羽アリを目にするのは、ある一定の時期に限られます。
しかし、シロアリは1年中活動を続けており、わたしたちが気付かない間に爆発的に増え続けているのです。
羽アリがいなくなったと安心するのではなく、できるだけ早く信頼できる専門業者に相談し、調査の実施をお勧めいたします。
なお、シロアリ業者の選び方については、以下の記事を参考にしてください。
注意するべき羽アリの見分け方
羽アリは、大きくシロアリと黒アリに分類できますが、注意するべきはシロアリになります。
なぜなら、シロアリは建物を加害して著しく性能を低下させますが、黒アリは建物への影響を心配する必要がないためです。
よって、出現している羽アリがシロアリなのかどうか見分けることが非常に重要なのです。
シロアリと黒アリの違い
シロアリの羽アリと黒アリの羽アリは、以下のようにそれぞれ特徴が異なるため、比較的容易に見分けられます。
- 触覚
- 翅(はね)
- 腰
触覚
シロアリの羽アリと黒アリの羽アリとの最も見分けやすい特徴となるのは触覚です。
シロアリの羽アリの触覚は直線で数珠状になっていることに対し、黒アリの羽アリの触覚は「く」の字に折れ曲がっています。
この触覚の形状の違いは、一目見ただけでも判別がつきやすい特徴です。
翅(はね)
シロアリの羽アリと黒アリの羽アリは、翅の特徴も異なります。
シロアリの羽アリの翅は4枚ともほとんど同じ大きさであることに対し、黒アリの羽アリの翅は前羽のほうが後翅より大きい特徴があります。
しかし、通常目にするのは、翅を閉じた状態であるため、一目で判別するのは少し難しいかもしれません。
腰
シロアリの羽アリと黒アリの羽アリは、腰の形状も異なります。
シロアリの羽アリの腰はくびれがなく寸胴であることに対し、黒アリの羽アリの腰は細くくびれがあるという特徴があります。
羽アリは、地上に降り立つと自らにより翅を落とす習性があるため、最もくびれを確認しやすいのは翅のない状態です。
シロアリの種類ごとの違い
日本国内のシロアリ被害は、「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の2種類が多く、また近年では外来種である「アメリカカンザイシロアリ」も見られるようになりました。
これらは、羽アリについても、見た目や飛び立つ時期、生息地など、さまざまな点で特徴が異なります。
ヤマトシロアリの特徴
写真;切り株に群がるハネアリ
写真;シロアリの食蟻
写真;羽を落としたハネアリ
- 見た目:体長5~7mm程度、全身が黒褐色
- 飛び立つ時期:4~5月の昼間
- 生息地:北海道北部を除く日本全土
イエシロアリの特徴
- 見た目:7~10mm程度、全身が黄褐色
- 飛び立つ時期:6~7月の夜
- 生息地:神奈川県以西の海岸線に沿った温暖な地域、千葉県の一部、南西諸島、小笠原諸島
アメリカカンザイシロアリの特徴
- 見た目:体長7~10mm程度、全身が赤褐色
- 飛び立つ時期:5~9月の昼間に数回ずつ何度も
- 生息地:千葉県以西の温暖な海岸線に沿った地域
まとめ
羽アリは大きくシロアリと黒アリに分類できますが、注意するべきはシロアリです。
また、羽アリの大量発生があったとしても、それはコロニーのわずか1%であり、その100倍程度の仲間が近くに存在することは認識しておく必要があります。
つまり、自宅近くで羽アリが飛んでいる場合は、すでに被害を受けている可能性が高いということです。
そのため、羽アリを見つけた場合は、まず専門業者へ床下の調査を依頼することをお勧めいたします。
ヤマト産業では、床下の無料調査を実施しています。
自宅近くに羽アリが発生し、不安を感じている方や、シロアリ駆除を検討している方は、お気軽にご相談ください。