シロアリは、土の中で暮らしているため、人の目にふれることはほとんどありません。
しかし、春から夏にかけての一定の時期に限り、羽アリが一斉に地上へと飛び立つ、いわゆる「群飛」により、多くの人たちの目の前に現れます。
このことから、「シロアリは冬になると冬眠する」と思っている人も多いようです。
ところが、シロアリは冬でも活動し続けています。
この点は、冬の間も食害を受ける可能性があることを意味し、また建物にとっては大きなリスクといえるのです。
そこで今回は、シロアリの冬のリスクについて、そしてシロアリ駆除は冬でもできるのかなど、詳しく解説いたします。
【目次】
Toggleシロアリの冬のリスクとは?
シロアリの冬のリスクとは、シロアリの存在に気付かない間に建物の被害が拡大していくことです。
多くの人がシロアリの存在に気付き、住まいの被害を疑うのは、春から夏にかけての一定の時期に限って集団で地上へと飛び立つ羽アリの群飛となります。
しかし、シロアリが活動するのは、この一定の時期だけではありません。
羽アリのシーズン以外でも繁殖や採餌などの活動をひそかに続けており、冬であっても同様です。
つまり、年間を通して活動するということであり、存在に気付かないまま被害を拡大させるリスクとなり得るのです。
シロアリは冬眠しない
多くの昆虫が活動を休止するなか、シロアリは冬眠することなく、活動を続けています。
とはいえ、シロアリも、少なからず気温に影響を受けることから、暖かい季節と比べると活動の範囲は狭まる傾向にあります。
しかし、繁殖や採餌などの活動は1年間を通して行われており、冬の間も個体数は増え続けているのです。
なお、シロアリの活動時期に関する詳しい内容は以下の記事を参考にしてください。
住宅事情も影響している
近年の住宅は、省エネ基準の度重なる見直しによって、過去と比べても非常に高い断熱性能を有し、快適性も増しています。
しかし、断熱性能の向上は、そこで暮らす人だけでなく、シロアリにとっても活動しやすい環境となっていることは忘れてはなりません。
というのも、高断熱の建物内は外気温に影響を受けにくく、冬でも安定した温度を保っているためです。
シロアリは、1年間を通して活動できるものの、気温の下がる環境ではどうしてもパフォーマンスは低下します。
ところが、安定した温度を保った場所では、活発に活動することも可能となります。
シロアリが活動できる温度は種類で異なる
シロアリが活動できる温度は、種類によって多少異なります。
日本国内のシロアリによる家屋の被害は、そのほとんどが「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の2種類ですが、これらの活動できる温度は以下の通りとなります。
ヤマトシロアリ
- 活発に活動できる温度:12~30℃
- 活動が可能な温度: 6℃程度
イエシロアリ
- 活発に活動できる温度:30~35℃
- 活動が可能な温度:10℃程度
冬のシロアリ駆除について
シロアリ駆除は、冬であってももちろんのこと、1年間を通して行えます。
シロアリは、冬の間もエサを食べ、そして繁殖していることから、被害を受けている場合はできるだけ早く駆除を行う必要があります。
とくに、1年のうち、シロアリが活発に活動するのは、気温が上がる春から夏にかけての季節です。
そのため、冬に実施しておくことは、行動を活発化させる時期に向けた予防となり、大きな安心を得ることにもつながります。
また、シロアリ駆除に使用する薬剤は、土壌汚染や健康被害が生じないよう、安全に分解される期間の「5年」で効果が切れるようつくられています。
よって、前回のシロアリ工事から5年以上が経過しているなら、季節に関係なく対策を行うタイミングであることに変わりありません。
1年のうちシロアリ駆除が最も多く実施される時期は羽アリシーズンであり、専門業者にとっては繁忙期となります。
繁忙期にはスケジュール調整が難しくなるケースも想定されるため、冬の時期に対策をしておくのもよいでしょう。
まとめ
シロアリは、活動を休止する多くの昆虫とは異なり、冬でも活動を続けます。
つまり、冬の間も食害を受け続けるリスクがあるということです。
パフォーマンスは低下する傾向にはあるものの、警戒しておくことは重要であり、また活発化する春以降に向けて対策を講じておく有効なタイミングでもあります。
ヤマト産業では、年間を通してシロアリ駆除、そして無料調査を行っております。
冬の間にシロアリ対策や調査を実施しておきたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。