シロアリの好物は、木材だけではありません。畳も食べます。
シロアリは雑食性の昆虫です。家の中のあらゆるものを食べ尽くしますが、畳は70~80%程度の多湿の環境を好むシロアリにとって最高の環境なんですね。表面は何ともなくても、裏返すとボロボロになっているケースも珍しくありません。
注意すべきなのは、畳がシロアリの被害を受けている場合、大きなリスクが潜んでいる可能性があること。
そこで今回は、京都でシロアリ駆除歴30年のヤマト産業の取締役が、シロアリの畳被害による住宅の危険性について詳しく解説いたします。放置しておくと、事故に繋がるので、心当たりのある方はこの先を読んでくださいね。
【目次】
Toggleシロアリによる畳の被害の危険性とは?
シロアリは、雑食性の昆虫であることから、木材や紙のほか、プラスチックやゴム類、断熱材、コンクリート、そして畳を食べることがわかっています。
特に湿気が多く、暖かい場所は、シロアリにとって最高の生息環境。畳はまさに、その条件にぴったり当てはまります。そのため、畳を敷いている和室はターゲットになりやすいのです。
シロアリによる畳の被害は大きなリスクが潜んでいる可能性も……
シロアリの侵入経路は、おもに床下。
通常は、土の中に巣をつくって集団で暮らしています。家に侵入するのは、エサを求めて移動するからです。そのため、まずエサとなるのは床下にある床束や根太、大引きなどの木材。
ということは、シロアリが畳に到達するときには、すでに床下の木材の大部分を食べてしまい、さらにエサを求めて室内へ入り込んできたと考えられるわけです。
畳のシロアリ被害は氷山の一角に過ぎません。シロアリ駆除歴の長い私たちが、畳のシロアリ被害の危険性に警笛を鳴らすのは、すでに床下で深刻なダメージを受けている可能性があるからです。もちろん、できるだけ早く対策する必要があります。
市販の殺虫剤では解決しない可能性が高いので要注意!
ただし!市販の殺虫剤を使い、自分で駆除することはおすすめできません。
なぜなら、市販の殺虫剤は、目に見える個体への効果は期待できても、巣の中にいるシロアリは駆除できないためです。床下など、もっと深いところにいるシロアリに対してへの効果は期待できません。
それどころか、よりひどくなって、プロのシロアリ駆除業者に依頼した時、駆除の妨げとなる可能性があります。当然、作業料金も高くなります。または、早期の再発につながるなど、良いことはひとつもありません。
なお、シロアリの見つけたときの対処法については、以下の記事を参考にしてください。
シロアリによる畳の被害は気付きにくい
やっかいなのは、畳のシロアリ被害はわかりにくいこと。
シロアリは光や乾燥を嫌うので、人目にふれるような場所で加害することは基本的にありません。畳の場合も、おもに裏側や中身を食べます。そのため、表面からは気づきにくいのです。
実際、表面に出てきたシロアリの存在に気づいたときには、かなり広範囲に被害が大きくなっているケースがほとんどです。よくあるのが、畳の上にタンスや段ボールなどを長期に渡って置いていると、そこがシロアリの温床になっていること。
部屋の衣替えなどで、久々に移動してみて「ギョッとする」ことも少なくありません。
畳のシロアリ対策についてご紹介
畳のシロアリ被害についての危険性について、ご理解いただけたでしょうか?
繰り返しになりますが、気付いたときには被害が大きくなっているケースがほとんどなので、まだその傾向はなくてもしっかりと対策をしておきましょう。
以下に、日ごろからできる畳のシロアリ対策について、簡単にご紹介します。
日常の掃除やお手入れを心掛ける
シロアリは湿気の多い場所を好みます。水分を含む畳は恰好のエサ場。
畳は、湿気を吸い込んだり、吐き出したりする調湿効果があることから、室内の湿度が高いと多くの水分を含むようになります。そのため、こまめに換気を行い、湿気を含んだ空気を外部に排出することが重要です。
また、お寺さんでは定期的な畳干しをしますが、シロアリ対策としても極めて効果的。しっかり乾燥できるうえ、シロアリ被害にも気付きやすくなるからです。
ただ、畳は決まった位置に戻さないとうまく入らなくなることがあります。畳を上げるときにテープなどで、それぞれに番号と方向を割り振っておくなどしておきましょう。
畳干しが面倒であれば、畳の片方を少し浮かせた状態で固定し、裏側に通気性を確保するのもおすすめです。そうしたちょっとした掃除やお手入れだけでも、シロアリ被害を未然に防いだり、拡大する前に気付けたりします。
効果が切れないようシロアリ対策を施す
シロアリ対策として最も効果的なのは、床下に有効な薬剤を散布する方法です。
薬剤の効果がある間は、基本的にシロアリの侵入を心配する必要はありません。当然、畳への影響もないと考えて大丈夫です。
ただし、シロアリ駆除の薬剤の効果は5年で切れるよう作られています。うっかり忘れてしまうと、薬剤散布後6年目以降は、シロアリに対して無防備な状態となってしまいます。
効果が持続するよう5年ごとに対策を施し、侵入の隙を与えないようにすることが重要です。そうすることで、より確実にシロアリから建物を守ることが可能となります。
なお、シロアリの薬剤の効果に関する詳しい内容は、以下の記事を参考にしてください。
まとめ
シロアリの被害が畳にまで及んでいる場合は、大きなリスクが潜んでいる可能性があります。それも、危険度の高い被害になっているケースが多いです。
一度、建物の重要構造がシロアリによって深刻なダメージを受けると、元の状態に戻すことは簡単ではありません。そのため、日ごろから手入れをしておいたり、薬剤を畳の下に散布するなど対策をしておいてください。万が一、畳の周辺でシロアリを見つけた場合は、一刻も早くプロのシロアリ駆除業者に調査を依頼しましょう。
なお、京都のヤマト産業では、床下の無料調査を実施しており、建物ごとに異なる状況に応じて、適切な方法を提案いたします。シロアリの被害に不安を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。