シロアリ駆除で使用されている薬剤には、さまざまな種類があります。
それらのなかでも「ドミノ効果」を有している薬剤は、駆除効果が高いとされています。
では、「ドミノ効果」とは、いったいどのような効果をいうのでしょうか?
また、数多いシロアリ駆除の薬剤のなかで「ドミノ効果」が期待できるのは、どのような種類でしょうか?
そこで今回は、「ドミノ効果」とはどのような効果なのか、そしてシロアリ駆除の薬剤で「ドミノ効果」が期待できるのはどのような種類なのかなど、詳しく解説いたします。
【目次】
Toggleそもそもドミノ効果とは?
そもそもドミノ効果とは、あるひとつの事象が起こると、ドミノ倒しのように次々と連鎖的に生じることをいいます。
そして、シロアリ駆除におけるドミノ効果は、ある個体に薬剤を巣まで持ち帰らせ、他の個体へ次々と伝播させることを狙ったものです。
そのため、ドミノ効果が働くと、建物内だけでなく、巣にいる仲間たちにまで影響を与え、場合によっては全滅を図ることも可能になります。
シロアリ駆除の薬剤でドミノ効果を発揮する要素
シロアリ駆除の薬剤でドミノ効果を発揮するには、一定の要素を備えていることが必要となります。
その代表的な要素とは、以下の通りです。
非忌避性
非忌避性とは、嫌がって避ける性質を有していないことをいいます。
シロアリ駆除の薬剤には忌避性のものと非忌避性のものに分けられますが、非忌避性の薬剤はシロアリが嫌がらないため、気付かれないうちに駆除を進められます。
一方で、忌避性のものは、シロアリが嫌がって近付かなかったり、あるいは触れると死んでしまったりすることから、巣にいるその他大勢の仲間たちに影響を及ぼすことはできません。
遅効性
遅効性とは、薬剤の効果が遅れて発揮されることをいいます。
遅効性を有する薬剤は、薬剤を巣まで持ち帰らせた後に効き始めるため、伝播による駆除が期待できます。
一方、即効性の薬剤は、直ちに効果を発揮してその場で死んでしまうことから、巣にいるその他大勢の仲間たちに影響を及ぼすことはできません。
シロアリの習性がドミノ効果に有利
シロアリは、土の中に巣をつくって集団で生活をしていますが、「グルーミング」を行う習性がドミノ効果を生じさせる要素のひとつとなっています。
シロアリの「グルーミング」とは、お互いに体を舐め合う行動のことをいい、これは、唾液の殺菌力によって体を清潔に保つことがおもな目的とされています。
そのため、非忌避性の薬剤であれば、体に付着していても気付かないまま巣まで持ち帰り、「グルーミング」による接触でドミノ効果が生じるわけです。
ドミノ効果が期待できるシロアリ駆除の薬剤とは
多くの種類があるシロアリ駆除で使用する薬剤のなかで、ドミノ効果が期待できるものといえば、非忌避性と遅効性を備えた種類となります。
シロアリ駆除でドミノ効果が期待できるおもな薬剤について、簡単にご紹介いたします。
ネオニコチノイド系薬剤
ネオニコチノイド系薬剤の薬剤は、シロアリ駆除の薬剤として最も一般的に使用されているものです。
ニコチンに似た成分からつくられており、昆虫には毒性を発揮する一方で、人などの哺乳類に対しては高い安全性が確保できるとされています。
忌避性がなく、また遅効性であるため、警戒を与えることなく巣へと持ち帰らせ、ドミノ効果による駆除が期待できます。
なお、ネオニコチノイド系薬剤に関する詳しい内容は、以下の記事を参考にしてください。
フェニルピラゾール系
フェニルピラゾール系の薬剤は、毒性が高く、シロアリの神経伝達を阻害するなど、少量でも優れた駆除効果を発揮します。
忌避性がなく、また遅効性であるため、優れたドミノ効果を発揮して、巣にいる仲間たちへの伝播が期待できます。
フェニルピロール系
フェニルピロール系の薬剤は、呼吸障害を起こさせるなど、強い毒性による殺虫効果を発揮します。
忌避性がなく、また遅効性であるため、優れたドミノ効果を発揮して、巣にいる仲間たちへの伝播が期待できます。
まとめ
シロアリの駆除を行う際に使用する薬剤は、ドミノ効果が期待できるものを採用すると、巣にいる仲間たちに対しても影響を及ぼすことが可能となります。
ちなみにホームセンターなどで市販されているシロアリ駆除剤は、そのほとんどが忌避性のものになります。
そのため、目の前にいるシロアリに対しては駆除が行えたとしても、その何十倍にも及ぶ巣にいる仲間たちには効果が期待できません。
そればかりか、逆に警戒を与えてしまい、その後の駆除に支障が生じることもあるのです。
よって、シロアリの駆除を行う場合は、市販の駆除剤を用いるよりも、プロの業者に相談のうえ、状況に適したものを選ぶことをおすすめいたします。
シロアリ駆除を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。