【シロアリ駆除】ネオニコチノイド系薬剤とは?
【シロアリ駆除】ネオニコチノイド系薬剤とは?

【シロアリ駆除】ネオニコチノイド系薬剤とは?

シロアリ駆除で使用する薬剤には、多くの種類があります。

そのなかで現在広く使用されている代表的なものといえば、「ネオニコチノイド系」の薬剤です。

しかし、「ネオニコチノイド系」の薬剤といっても、どのような特徴があり、また他の薬剤とどのような違いがあるのか、わからない人のほうが多いのではないでしょうか?

そこで今回は、代表的なシロアリ駆除の薬剤である「ネオニコチノイド系」について、おもな特徴や他の薬剤との違いなどを詳しく解説いたします。

ネオニコチノイド系薬剤とは

シロアリ駆除で使用される薬剤のうち、広く普及している代表的なものにネオニコチノイド系があります。

ネオニコチノイド系薬剤とはどのようなものなのか、簡単に解説いたします。

ネオニコチノイド系薬剤の特徴

ネオニコチノイド系薬剤は、ニコチンに似た成分をもとにつくられた薬剤であり、人などの哺乳類には安全とされている一方で、昆虫に対して選択的に作用することが大きな特徴です。

シロアリに対しては、神経伝達を阻害することで殺虫効果を発揮しますが、忌避性を有していないため、警戒を与えることなく確実に駆除します。

また、ネオニコチノイド系薬剤は、空気中に蒸発しにくい性質があり、建物内へほとんど拡散することがありません。

さらには、低臭性でもあることから、散布後にもほとんどにおいを感じないといった点も特徴となっています。

以上のような扱いやすさが、シロアリ駆除の薬剤として普及している理由といってよいでしょう。

ネオニコチノイド系農薬の問題について

近年、ネオニコチノイド系農薬の安全性について、問題となることがありました。

これは、世界各地で発生していた蜂の大量死や、一部地域における漁獲量の減少が、田畑で散布されるネオニコチノイド系農薬の影響によるものではないかといったことです。

そのため、EUなどは、ネオニコチノイド系農薬の使用を規制する動きも見られるようになりました。

これに対し、農薬メーカーなどでは、一連の事象とネオニコチノイド系農薬に直接的な因果関係があることは立証されていないと反論する意見もあります。

また、農林水産省においても、科学的に安全が確保される農薬だけを登録しているとしています。

なお、問題となっているネオニコチノイド系農薬とは田畑に散布するものであり、シロアリ駆除で使用する薬剤のことを指しているわけではありません。

とはいえ、20年間問題なく使用され続けてきたネオニコチノイド系薬剤が、近年開発された新薬などと比べて、極端に新しい薬剤の方が安全だと思い込むのは危険ともいえます。

ヤマト産業としましては、双方の主張がある以上、双方のメリットとデメリットをよく理解した上で薬剤を選定し、お客様に説明を行った上、施工を行うことが大切だと考えています。

シロアリ駆除で使用されるネオニコチノイド系以外の薬剤

過去、シロアリ駆除で使われていたのは、殺虫力は高いものの、人体や環境に影響を与えるものでもあり、その多くは現在使われていません。

例えば、1950年代には「クロルデン」という有機塩素系の薬剤が主流でしたが、1986年以降は使用禁止となっています。

また、その後よく使われるようになった「クロルピリホス」という有機リン系の薬剤も、2003年には使用禁止となりました。

このような背景から薬剤の研究開発が進み、シロアリ駆除の効果だけでなく、人体や環境に影響が及ぶことのない安全な薬剤が使われるようになったのです。

なお、薬剤の安全性に関する詳しい内容は、以下の記事を参考にしてください。

そして、現在、シロアリ駆除で使用される代表的な薬剤となっているのはネオニコチノイド系のものですが、その他にも多くの種類があります。

おもな種類について、簡単にご紹介いたします。

フェニルピロール系

フェニルピロール系の薬剤は、シロアリの呼吸障害を生じさせて駆除します。

毒性が強く、殺虫効果は高いものの、場合によっては人体へ影響が及ぶケースもあるため取り扱いには十分な注意が必要となります。

フェニルピラゾール系

フェニルピラゾール系の薬剤は、シロアリの神経伝達を阻害することで駆除します。

毒性が強く少量でも殺虫効果を発揮すること、忌避性がなく緩やかに作用するため優れたドミノ効果が期待できることなどが特徴となります。

ピレスロイド系

ピレスロイド系の薬剤は、シロアリの神経系統を麻痺させることで駆除します。

即効性が高く短時間での効果が期待できることや、忌避性が高いことなどが特徴となります。

カーバメート系

カーバメート系の薬剤は、シロアリの神経に作用して過剰に興奮させることで駆除します。

除草剤としても使われていることでも知られていますが、シックハウスの原因となる可能性がある点では注意が必要です。

ホウ素系

ホウ素系の薬剤は、シロアリが大量に摂取するとエネルギー代謝ができなくなり、餓死してしまいます。

一方、人などの哺乳類が摂取しても短期間に排泄されることから、安全性の高いものになります。

揮発や分解によって消滅せず長期間にわたって効果が持続しますが、雨などの水分があると簡単に溶けてしまうことは注意が必要です。

ヤマト産業が取り扱う薬剤について

ヤマト産業では、いくつかの薬剤を取り扱っています。

その薬剤とは、以下の通りです。

まとめ

シロアリ駆除で使用される薬剤には多くの種類がありますが、なかでも広く普及しているものとしてネオニコチノイド系が挙げられます。

また、これからも、より安全で効果の高い薬剤の開発が続いていくでしょう。

ヤマト産業においても、お客様の安全に配慮し、満足していただけるサービスの提供を心掛けています。

シロアリ駆除を検討している方は、お気軽にご相談ください。

中岡 亘由

この記事を監修した人

ヤマト産業取締役。シロアリ業界歴約30年。”コワモテ”だが、部下からは優しいと定評があります(笑)シロアリ駆除、防除、雨漏り防水のコトなら何でも聞いてください!

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京都のシロアリ駆除・雨漏り防水工事専門業者ヤマト産業。寺社仏閣や大手会社の請負歴29年、1000件以上の実績。表面波による地盤調査では取り扱い件数No.1の実績があります。シロアリ駆除・雨漏り防水のほか、地盤調査、害虫・害獣駆除、断熱工事、その他リフォームもお任せ!京都・大阪・奈良エリア対応可。