「これって、もしかしてシロアリ……!!?」
家の中でシロアリらしき生物を見つけたら、真っ青になりますよね。シロアリは、通常、土の中に生息していて、光や風を嫌いますが、家の中でその姿が目撃されたということは、かなり被害が深刻な状況かもしれません。私たちヤマト産業は京都の寺社仏閣や企業、一般家屋などあらゆるシロアリ駆除を30年、行ってきました。その中で、建物を支える木材が食い尽くされた現場を数多く目撃しています。
しかし一方で、アリを見かけたとはいえ、シロアリではないケースもあります。そこでこの記事では、シロアリらしき生物を見かけたときの「見分け方」と「イザというときの対処法」を解説しました。
シロアリは、北海道の一部を除く日本全国に生息しており、春から夏にかけて多くの羽アリが発生します。この時期に自宅やその周辺で羽アリを見つけた場合、シロアリの被害を受けている可能性を考え、一刻も早く、対処することが重要です。
シロアリ駆除歴30年のプロが徹底解説しますので、まずは慌てず、この記事をご覧ください。
下記の動画にも概要をまとめたので、ぜひご覧ください!
【目次】
Toggleシロアリを見つけたら、まずは種類をチェック!
最初にシロアリを見つけるのは、羽アリであることが一般的です。羽の生えていないシロアリは土の中など、暗く湿った場所にいるため、目にするケースは多くありません。
羽アリは、シロアリに限ったものではなく黒アリの可能性もあるため、まずは、どちらの種類なのか知ることが重要です。シロアリと黒アリの違いは、以下の通り、体形の特徴をチェックすることで判断できます。
シロアリの羽アリの特徴と見分け方
シロアリの羽アリの特徴は、胴体にくびれがなく太いこと、そして4枚の羽の大きさがほぼ同じであることです。また、シロアリによる家屋の被害は、そのほとんどが「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の2種類となっており、それぞれ羽アリが確認できる時期は以下のように異なります。
- ヤマトシロアリ:4~5月頃
- イエシロアリ:6~7月頃
単純にはいえませんが、春先に見られるシロアリは「ヤマトシロアリ」、初夏に見られるシロアリは「イエシロアリ」の可能性が高く、その時期以外ですと、黒アリの可能性が高まります。
ちなみにシロアリは、アリという名称が付けられていますがゴキブリの仲間。同じ昆虫ですが、黒アリはハチの仲間なので、見た目は似ているものの、生態は異なります。
シロアリの大好物は、木材に含まれているセルローズという栄養源。木造家屋などに浸入し、柱や土台など重要な構造物までも食い荒らすので、私たち人間にとっては非常にやっかいな害虫です。
黒アリの羽アリの特徴と見分け方
黒アリの羽アリの特徴は、胴体にくびれがあり細くなっていること、そして4枚の羽のうち前羽が後羽よりも大きいことです。また、黒アリは非常に多くの種類があり、5~11月にかけてあらゆる種類の羽アリが見られます。
黒アリは種類によって肉食や雑食など食性は異なりますがシロアリのように木材を食い荒らすことはありません。つまり、見つけた羽アリが黒アリであれば、家屋に対して直接的な影響を及ぼすことはないので、ひとまずご安心ください。
ただし、シロアリの被害が進行している場合、黒アリはシロアリが作っていた巣を襲撃し、シロアリを食べた後、その巣を拝借して自分たちの巣としてしまうケースもあります。シロアリほど緊急性は高くありませんが、見つけたら殺虫スプレーやハチ用の害虫スプレーなどで対処し、クロアリのエサとなる食べかすなどを放置しないようご注意ください。
シロアリを見つけたときの適切な対処法
家の中や庭で見つけたアリがシロアリであった場合、家屋はすでに被害を受けている可能性があります。
必ずしも深刻な状況に陥っているとはいえませんが、見なかったフリだけは絶対にやめてください。実際、私たちがご依頼を受けたとき、数か月たって連絡いただいたときには被害が進行していたケースも多々あります。まずは、被害がそれ以上、拡大しないよう適切に対処することが必要です。
シロアリを見つけたときの主な対処法とは以下の通りです。
- 市販の殺虫剤は使用しない
- 個体を撮影しておく
- 粘着テープで貼り付ける
- 掃除機で吸引する
- 窓を開けて外へ逃がす
ひとつずつ、説明しますね。
市販のシロアリ殺虫剤は使用しない
シロアリを見つけた場合、市販の殺虫剤を使って駆除してしまおうと考える人も少なくありません。
しかし、市販されている殺虫剤を使用する場合は十分な注意が必要であり、また完全に駆除することを考慮するとできるだけ使用しないほうが無難です。
なぜなら、市販の殺虫剤は対象とする個体への効果は期待できても、巣のなかにいるシロアリは駆除できないからです。
また、シロアリに使用する薬剤は大きく「忌避性」と「非忌避性」の2つのタイプに分けられますが、市販されている殺虫剤の多くは「忌避性」のものになります。「忌避性」の薬剤は、シロアリが嫌って避ける成分を含んでおり、生き残った個体が巣へ逃げ帰ると、危険を察知して群れが分散してしまう可能性があります。
そうなると、専門業者であっても完全に駆除することは簡単ではありません。そしてその分、駆除費用は高額になります。市販の殺虫剤を使用してしまったがために、数年後、その殺虫剤の300倍のコストがかかるケースも珍しくないんです。
ちなみに、専門業者が取り扱う薬剤の多くは「非忌避性」のものであり、薬剤の成分が付着したシロアリがそのまま巣へ持ち帰ることで起こる伝搬作用により、効果的に駆除を行えます。シロアリの駆除は、建物の長寿命化を図るためにも、自分でやってしまうより専門業者へ依頼することをお勧めいたします。
なお、私たちヤマト産業が行うシロアリ駆除の方法や手順については、以下の記事をご覧ください。
シロアリの個体を撮影しておく
シロアリを見つけた場合、個体を撮影しておけば、専門業者への相談がスムーズになります。先ほど、シロアリとクロアリの見分け方を解説しましたが「よくわからない」といったご相談を受けることがあります。もし、ご自身で判断がつかなければ、お近くの良心的な業者に相談してみてください。
私たちヤマト産業では、無料でご相談いただけますが、良心的な業者の大半はすぐにアドバイスをしてくれると思います。逆に、そのときの対応が良くない業者は、専門性が低い可能性がありますので、注意しましょう。
粘着テープでシロアリを退治する
あくまで応急処置となりますが、シロアリを見つけたらセロテープやガムテープなどの粘着テープで、退治してください。こうした粘着テープを使えば、誰にでも簡単に対峙できるうえ、貼り付けるだけでシロアリは死んでしまいます。
また、その現物を専門業者へ駆除を依頼する際に提出することで、相談もスムーズになるでしょう。
シロアリを掃除機で吸引する
もうひとつの応急処置方法として、掃除機で吸引してしまうのも効果的です。少し気持ち悪いかもしれませんが、掃除機を使えば逃げられることも少なく、またシロアリは吸引時の圧力だけで死んでしまうため、そのままゴミとして処分できるので、意外と手軽です。
まとめ
家の中や庭でシロアリらしき生物を見つけたら、まずはシロアリかクロアリか、見分け方を参考に判別してみてください。もし、シロアリである場合、すでに家屋が被害を受けている可能性があります。そのまま放置すると、家屋がどんどん食い荒らされるリスクがあります。建物にとって重要構造である柱や土台がシロアリの食害を受けると、耐震性を低下させる原因となり、万が一の地震発生時には揺れに耐えられないかもしれません。
そうなれば、建物の倒壊にも繋がりかねませんから、一刻も早く対処する必要があります。
なお、木造住宅において、国が指定する法定耐用年数は22年となっていますが、適切にメンテナンスを行えば60年以上の寿命が期待できるといわれています。適切なメンテナンスとは、主要構造を傷める原因となる雨漏りの対策であり、そしてシロアリの対策もそのひとつです。
過去5年以内にシロアリ対策を施していないようなら、まずは専門業者へ床下の調査を依頼するとよいでしょう。ヤマト産業では、床下の無料調査を実施しています。
関西方面でシロアリを見つけた方や駆除を検討している方は、お気軽にご相談ください。