バルサンでシロアリ対策はできる?その効果と注意点とは

バルサンでシロアリ対策はできる?その効果と注意点とは

「シロアリを見つけてしまった…」
「バルサンって効果あるのかな?」

自宅でシロアリを発見すると、不安でいてもたってもいられませんよね。このとき、家の害虫駆除に使われる『バルサン』を、シロアリ対策に検討する人も多いようです。

ゴキブリやダニに効果的な製品として有名ですが、実際シロアリにはどうなのでしょうか?

私たちヤマト産業は、30年以上にわたってシロアリ駆除に携わり、数多くのご相談に対応してきました。この記事では、バルサンでシロアリ対策はできるのか、その効果や注意点などについて詳しく解説します。

あなたの大切な家を守るために、専門家の視点からお届けしますね!

バルサンはシロアリ対策に効果があるのか?

結論からいうと、バルサンには一時的な効果はあるものの、シロアリ対策の根本的な解決にはなりません

薬剤が直接かかったシロアリには効果が期待できますが、強い忌避性によって多くのシロアリが床下や壁の中に逃げ込んでしまいます。

また、使用後の換気により薬剤濃度が低下するため、残効性がほとんどなく予防効果も不十分です。

バルサンとは?ゴキブリやダニを駆除する「くん煙剤」

バルサンは、強力な噴出力により室内の隅々まで煙状の薬剤を拡散させる「くん煙剤」です。

この煙が部屋の隅や家具の裏側など、普段手が届きにくい場所にも行き渡ることで、その空間に潜むゴキブリやダニなどの駆除効果が期待できます。

ちなみに、バルサンの効果・効能の対象害虫として公式に記載されているのは、ゴキブリ、イエダニ、ノミ、トコジラミ(ナンキンムシ)、屋内塵性ダニ類などです。実は、シロアリは対象害虫として明記されていません

バルサンに含まれる成分はシロアリにも効くのか

バルサンには、主に以下の3つの殺虫成分が含まれています。

  • d・d-T-シフェノトリン
  • メトキサジアゾン
  • フェノトリン

このうち「d・d-T-シフェノトリン」と「フェノトリン」は、ピレスロイド系と呼ばれる成分で、実際にシロアリ駆除剤にも使用されている成分です。

ここで興味深い事実をお伝えしましょう。

シロアリは「アリ」という名称が付けられていますが、実はゴキブリ目に分類され、生物学上はゴキブリの仲間なのです。一方、一般的な黒アリは「ハチ目アリ科」に分類され、ハチの仲間となります。

つまり、シロアリはゴキブリに近い生物であり、ゴキブリに効果のある薬剤がシロアリにも効く可能性があるわけです。

「じゃあ、やっぱりバルサンでシロアリを退治できるんじゃないの?」と思われるかもしれませんね。

しかし、ここからが重要なポイントです。

バルサンがシロアリ対策として不十分な理由3つ

バルサンがシロアリ対策として不十分な理由は、大きく分けて3つあります。

強い忌避性でシロアリが逃げ込んでしまう

バルサンに含まれるピレスロイド系の成分には、強い忌避性(シロアリが嫌がって避ける性質)があります。

前述した通り、薬剤の煙を察知したシロアリは、床下や壁の中といった奥深い場所に逃げ込んでしまうのです。

巣の大多数のシロアリには効果が届かない

シロアリは巣の中に数万から数十万匹という膨大な数で生活しており、建物の表面に出てくるのはほんの一部です。

バルサンで、表面に出ていた数匹のシロアリは駆除できても、それは氷山の一角にすぎず、根本的な解決にはなりません。

換気により残効性がほとんど期待できない

バルサンの使用中は部屋を閉め切って外に出る必要があり、使用後は十分な換気を行わなければなりません。

換気により室内の薬剤濃度は低下し、残効性(持続的な予防効果)はほとんど期待できないのです。

シロアリ

以上の理由から、バルサンは建物を守るシロアリ対策としての効果はあまり見込めないといえます。

目の前のシロアリが一時的にいなくなったように見えても、実は床下や壁の中で被害が進行し続けている可能性が高いのです。

なお、シロアリの具体的な活動については、以下の記事を参考にしてください。

バルサン以外に自分でできるシロアリ対策は?

バルサン以外にも、自分でできるシロアリ対策はいくつかあります。

対策の基本は「シロアリにとって都合のよい環境をつくらないこと」です。つまり、日頃から建物の状態を確認し、シロアリが寄りつきにくい環境を維持することが大切です。

ただし、自分でできる範囲は主に「予防」を目的としたものです。すでに被害が発生している場合の解決には限界があることを理解しておきましょう。

シロアリが住みにくい環境をつくるためには?

シロアリは湿気を好み、エサとなる木材がある場所に集まりやすい習性があります。逆にいえば、湿気を取り除き、エサとなるものを減らせば、シロアリが寄りつきにくい環境をつくれるわけです。

自分でできる予防対策として、以下のような方法があります。

  • 床下の換気口を塞がず、通気を確保する
  • 床下に防湿シートを敷いて湿気を抑える
  • 木材や段ボールを地面に直置きしない
  • 庭の枯れ木や切り株を撤去する
  • 雨漏りや水漏れを発見したら早期に修理を依頼する
  • 家の周囲に木材を積み上げたままにしない

これらの対策は、どれも特別な道具や技術を必要としないため、気づいたときにすぐ実践できます。

特に床下の湿気対策は重要で、私たちヤマト産業でも現地調査の際には必ず床下の湿度状態を確認しています。

また、換気口の前に荷物を置いている家庭は意外と多く、それだけでも湿気がこもりやすくなってしまうのです。

植栽やエアコンの室外機で換気口を塞がないように!

市販のシロアリ駆除スプレーを使う際も要注意

ホームセンターなどでは、シロアリ駆除用の主にスプレータイプの薬剤が数多く販売されています。これらの市販スプレーは、目の前にいるシロアリを駆除するには効果的です。

しかし、床下や壁の中にいる数千から数万匹にも及ぶ他の仲間には薬剤が届きません

市販スプレーには、以下のような問題点があることを知っておく必要があります。

  • 一時的に目の前のシロアリを駆除できても、巣全体には影響がない
  • 時間が経過すれば、別の場所から再び侵入を許してしまう
  • 強い忌避性により、シロアリが警戒して別の場所へ移動してしまう

バルサンと同様に、特に注意すべきは忌避性による問題です。

多くの市販スプレーに含まれるピレスロイド系成分には強い忌避性があるため、シロアリは薬剤処理した箇所を避けて移動します。その結果、「どこにシロアリがいるのか」がわかりにくくなり、専門業者でも被害の全容把握が難しくなってしまいます。

さらに困ったことに、シロアリが分散することで被害範囲が広がり、気づいたときには複数箇所で食害が進行していた…というケースも少なくありません。

「とりあえず目の前のシロアリを何とかしたい」という気持ちはよくわかりますが、かえって状況を悪化させる恐れがあることを覚えておいてください。

専門業者に依頼すべきタイミングとは

すでにシロアリ被害の兆候が見られる場合は、専門業者への依頼を検討すべきです。

以下のような状況に当てはまる場合は、早めにプロの診断を受けることをおすすめします。業者に依頼すべき判断基準は以下の通りです。

状況具体例
被害の兆候がある蟻道を発見、羽アリが発生した
建物に異変がある床がきしむ、柱を叩くと空洞音がする
予防処理の期限前回の処理から5年が経過している
環境的なリスク床下の湿気が多い、換気が不十分
建物の不安基礎や土台にひび割れや劣化がある

特に、蟻道(シロアリが移動するためにつくる土の道)や羽アリの発生は、すでにシロアリが建物内に生息している可能性が高いサインです。

私たちは30年以上の経験から、5年ごとの定期的な点検と予防処理をおすすめしています。「まだ大丈夫だろう」と放置せず、気になる兆候があれば早めに相談することで、被害を最小限に抑えられます。

床下侵入

シロアリ被害が広がる前に!床下の無料診断

シロアリは床下や壁の中など、目に見えない場所で静かに被害を進行させます。そのため、気づいたときには被害が相当進んでいるケースが少なくありません

放置すれば家の構造的な強度が低下し、大規模な修繕が必要になる場合もあります。だからこそ、早期発見・早期対応が被害を最小限におさえるカギです。

床下で何が起きているかは実際に見てみなければわかりません。専門業者による床下点検を受けることで、シロアリの有無、被害状況、今後のリスクを正確に把握できます。

私たちヤマト産業では「床下の無料診断」を実施しています。無料診断では、専門の調査員が床下に潜り込み、目視でしっかりと確認を行います。

床下の無料診断でわかることは?

では、具体的に無料診断で何がわかるのでしょうか。

【床下の無料診断でわかること】

  • シロアリが現在生息しているか
  • 床下の湿気状態や換気の状況はどうか
  • 蟻道や食害痕などの証拠がないか
  • 家の構造的な弱点や劣化状況はどうか
  • 今後シロアリ被害が発生するリスクないか
  • 被害がある場合はその箇所と範囲はどこか

これらの情報をもとに、今すぐ対策が必要なのか、それとも予防的な処理で十分なのかを判断できます。

また、すでに被害が発生している場合でも、被害の範囲や進行度合いによって適切な対処方法は変わってきます。

小規模な被害であれば部分的な処理で済む場合もありますし、広範囲に及んでいれば全体的な駆除と予防処理が必要になるでしょう。

不安を抱えたままにせず、まず現状を知ることから

「診断を受けたら必ず契約しなければいけないのでは?」と心配される方もおられますが、私たちヤマト産業では契約を強制することはありません

まずは現状を知り、納得したうえで対策を検討していただくことが大切だと、私たちは考えています。

無料診断を活用して、大切な家を守る第一歩を踏み出してみませんか?

シロアリ駆除のヤマト産業スタッフ
シロアリ駆除のヤマト産業スタッフ

まとめ:早めの対策でシロアリ被害を最小限に

「バルサンで何とかなるかも」という期待を持って、この記事を読み始めた方もいると思います。

残念ながら、バルサンだけでシロアリ問題を解決するのは難しい現実をお伝えすることになりましたが、それは決して悪いニュースだけではありません。

正しい知識を持つことで、本当に効果のある対策を選べるようになるからです。

「もしかして」という直感を信じてほしい

「家の中でシロアリらしきものを見た」「床がふわふわする気がする…」。そんな小さな違和感や「もしかして」という直感は、多くの場合当たっています。

では、プロの業者が行うシロアリ対策とは、どのようなものでしょうか。専門業者による対策では、建物内に存在するシロアリを駆除するとともに、再侵入を防ぐための予防措置、いわゆる「防除」を実施します

また、業者が使用する薬剤は、人体や環境への影響を考慮し、5年で効果が切れるよう設計されています。

そのため、多くの業者では5年間の保証が付帯しており、定期的なメンテナンスを行うことで、建物をシロアリの被害から守り続けることができます。

シロアリ駆除はヤマト産業にお任せください

ヤマト産業のシロアリ駆除は、「公益社団法人日本しろあり対策協会」の「施工仕様書」の基準に則って施工を行っています。

大切なマイホームを長く快適にお使いいただくため、シロアリの駆除や予防をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。

床下の無料診断では、丁寧に現状を確認し、あなたの家に合った対策をご提案します。まずは現状を知ることが大切な家を守る第一歩です。

なお、ヤマト産業のシロアリ駆除や保証に関する詳しい内容は以下の記事を参考にしてください。

中岡 亘由

この記事を監修した人

ヤマト産業取締役。シロアリ業界歴約30年。”コワモテ”だが、部下からは優しいと定評があります(笑)シロアリ駆除、防除、雨漏り防水のコトなら何でも聞いてください!

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京都のシロアリ駆除・雨漏り防水工事専門業者ヤマト産業。寺社仏閣や大手会社の請負歴30年、1000件以上の実績。表面波による地盤調査では取り扱い件数No.1の実績があります。シロアリ駆除・雨漏り防水のほか、地盤調査、害虫・害獣駆除、断熱工事、その他リフォームもお任せ!京都・大阪・奈良エリア対応可。