自宅でシロアリを見つけた場合、「市販の殺虫剤を使って自分で駆除できるの?」と思う人も少なくありません。
例えば、家の中に潜んでいるゴキブリやダニなどの害虫を一網打尽にすることを目的とする「バルサン」を、シロアリ対策として検討している人も多いようです。
では、実際のところ、「バルサン」は、シロアリ対策として機能するのでしょうか?
そこで今回は、「バルサン」でシロアリ対策はできるのか、その効果と注意点について詳しく解説いたします。
【目次】
Toggleバルサンとは
そもそもバルサンとは、強力な噴出力により、室内の隅々まで煙状の薬剤を拡散することで、その空間に潜んでいるゴキブリやダニなどの害虫を駆除する「くん煙剤」のことをいいます。
ちなみにバルサンの効果、効能は以下の通りとなっています。
- ゴキブリ
- イエダニ
- ノミ
- トコジラミ(ナンキンムシ)
- ハエ成虫
- 蚊成虫
- 屋内塵性ダニ類
以上のように、家の中にいると不快に感じる虫をまとめて駆除する効果が期待できます。
バルサンの殺虫成分について
バルサンには、おもに以下の3つの殺虫成分が含まれています。
- d・d-T-シフェノトリン
- メトキサジアゾン
- フェノトリン
これらのうち、「d・d-T-シフェノトリン」と「フェノトリン」は「ピレスロイド系」の成分であり、シロアリ駆除の薬剤としても使用されているものになります。
「ピレスロイド系」とは、除虫菊に含まれる天然殺虫成分である「ピレトリン」を模してつくられたもので、害虫に対して神経を麻痺させる効果がありながらも、人体への安全性が高いとされるものです。
また、「ピレスロイド系」の成分は、シロアリの薬剤として使用されているものでもあります。
そのため、バルサンの薬剤が及んだ範囲については、シロアリに対して一定の効果があることが予想できます。
シロアリはゴキブリの仲間
シロアリは、「アリ」という名称が付けられていますが、一般的に知られている黒アリではなく、実はゴキブリの仲間です。
シロアリが「ゴキブリ目」という分類であることに対し、黒アリは「アリ目」という分類で「ハチ」の仲間となります。
以上のように、シロアリはゴキブリの仲間となりますが、バルサンの効果、効能にゴキブリの表記はあってもシロアリとはありません。
よって、バルサンは、シロアリの駆除を対象としていないことがわかります。
バルサンはシロアリ対策になる?
バルサンに含まれている成分は、シロアリ駆除の薬剤成分のひとつでもあることから、シロアリに対しても一定の効果が期待できると思われます。
しかし、それは、薬剤が及ぶ範囲のシロアリに限られ、巣に残っているその他の仲間達に対し重大な影響を与えるとは考えられません。
よって、建物を守るためのシロアリ対策としての効果は期待できないといってよいでしょう。
バルサンの効果は短時間
バルサンを使用する際は外に出る必要がありますが、使用後は一定時間の換気により薬剤の成分は無くなるとされています。
つまり、害虫に対する薬剤の効果はきわめて短時間であるということです。
仮に、床下のシロアリに薬剤が効いて駆除できたとしても、一定時間が経過し、効果が切れた後には新たなシロアリが侵入することが可能となります。
シロアリは、土の中にコロニー(巣)を形成し、集団で暮らしています。
そのため、通常であれば人の目に触れることがありません。
例えば、わたしたちがシロアリの存在に気付く多くのケースとは、春から夏にかけて巣から地上に飛び立つ、いわゆる羽アリの群飛です。
ところが、羽アリは、コロニーのなかのわずか1%程度であり、その100倍もの仲間はそのまま残って活動しています。
もちろん、繁殖活動も行われており、毎日にようにその数は爆発的に増えて続けています。
要するに、目の前にいるシロアリを完全に駆除できたとしても、その後の仲間の侵入を防がなくてはシロアリ対策とはならないということです。
なお、シロアリの具体的な活動については、以下の記事を参考にしてください。
市販のシロアリ駆除剤も要注意
ホームセンターなどでは、多くのシロアリ駆除剤が販売されています。
おもにスプレータイプのものが多く見られますが、これらもバルサンと同様に、目の前にいるシロアリを駆除するには効果的です。
しかし、薬剤を吹きかけたシロアリに効いたとしても、薬剤が届いていない、その他何十倍にも及ぶ仲間達に効かせることはできません。
そのため、一時的に目の前のシロアリが駆除できただけであり、一定の時間が経過すれば、いとも簡単にその他の仲間達の侵入を許す恐れがあることは注意が必要です。
まとめ
プロの業者が行うシロアリ対策とは、建物内に存在するシロアリを確実に駆除し、そして同時に、再び建物内に侵入されないよう予防する、いわゆる「防除」を行います。
また、プロの業者が使用する薬剤は、人体や環境に影響が及ばないよう、5年で効果が切れるようつくられています。
そのため、5年の保証が付くとともに、定期的な対策を行うことにより、建物をシロアリの被害から守っていくことが重要なのです。
ヤマト産業のシロアリ駆除は、「公益社団法人日本しろあり対策協会」の「施工仕様書」の基準に則って施工を行っています。
大事なマイホームを長く快適に使うため、シロアリの駆除や予防を検討している方は、お気軽にご相談ください。
なお、ヤマト産業のシロアリ駆除や保証に関する詳しい内容は以下の記事を参考にしてください。