シロアリの被害を受けた家は倒壊する?効果的な対策とは?

シロアリの被害を受けた家は倒壊する?効果的な対策とは?

※2026年7月更新:阪神・淡路大震災の学術調査データを、出典の確認できる数値に更新し、被害が出やすい場所の解説を追記しました。

シロアリは、木材をエサとしていることから、住宅が被害を受けると、あらゆる部分がボロボロにされてしまいます。

では、シロアリの被害を受けた家は、その影響により倒壊してしまうのでしょうか?

結論として、シロアリの被害を受けても、直ちに倒壊することはありません

しかし、その状態を放置すると、万が一の地震発生時には、不測の事態を引き起こす可能性があります

また、シロアリの被害を受けた場合、建物を以前の健全な状態に回復することは簡単ではないため、しっかりと対策を施しておくことも忘れてはなりません。

そこで今回は、大事なマイホームがシロアリの被害を受けると倒壊することがあるのか、また倒壊しないための効果的な対策とはどのような方法なのか、詳しく解説いたします。

シロアリの被害を受けた家は倒壊する?

シロアリが住宅内に侵入し、エサとなる木材があると、それらを加害します。

しかし、シロアリ被害を受けたからといって、直ちに倒壊するわけではありません。

とはいえ、建物が正常な状態を保っているのかといえばそうではなく、場合によっては著しく耐久性を低下させる恐れがあることは十分な注意が必要です。

シロアリ被害を受けた家は地震発生時に倒壊する可能性が高まる

シロアリ被害を受けた家は、直ちに倒壊することは考えにくいとはいえ、万が一の地震発生時には、倒壊の可能性は高くなってしまいます。

1995年に発生した阪神・淡路大震災は、非常に多くの住宅被害をもたらしました。この震災の後、木材の研究者らによって被災住宅の詳細な調査が行われ、シロアリ被害と倒壊の関係について重要な事実が報告されています。

神戸市東灘区で約1,000棟規模の調査を行った学術報告によると、全壊した住宅のうち、柱や土台といった主要な構造部材に腐朽やシロアリ被害があった建物では、約70%で死者が発生していました

一方、腐朽やシロアリ被害のなかった全壊家屋で死者が発生した割合は20%強にとどまっています。同じ「全壊」でも、結果が大きく違ったのです。

阪神・淡路大震災 全壊した住宅で死者が発生した割合
柱・土台などに腐朽やシロアリ被害があった建物
約70%
腐朽やシロアリ被害がなかった建物
20%強

margin:14px 0 6px;”>同じ「全壊」でも、構造部材に生物劣化があった住宅では死者の発生率が3倍以上になっていました。調査報告では、生物劣化や接合部の脱落によって「一瞬のうちに瓦解し、生存空間が残らなかった」ことが要因と分析されています。

出典:木造住宅の震災被害に関する学術調査報告(神戸市東灘区・約1,000棟規模の調査)

この違いについて調査報告は、構造部材の生物劣化や接合部の脱落によって「一瞬のうちに瓦解し、生存空間が残らなかった」ことが人的被害を拡大させたと分析しています。

阪神・淡路大震災では、亡くなられた方の約90%が自宅で犠牲になり、その多くが倒壊した家屋に圧迫されたことによるものでした。シロアリ被害は、家という財産の問題である前に、ご家族の命に関わる問題だということです。

また、この調査に携わった研究者の多くは、当時の京都大学木質科学研究所(現在の生存圏研究所)に所属していました。私たちヤマト産業が拠点を置く京都府宇治市には、この研究所の宇治キャンパスがあり、シロアリ研究の拠点となっています。地元でこうした研究が積み重ねられてきたことを、同じ宇治で施工に携わる者として心強く感じています。

以上のことから、シロアリの被害を受けた家は、地震発生時の倒壊リスクが非常に高いということがわかります。

つまり、地震大国である日本では、地震に強い家づくりを行ううえでシロアリ対策は欠かせない要素といえるのです。

なお、同じ震災の調査では、築後30年以上でシロアリ被害を受けた住宅は食害の進行が早く、地震だけでなく台風による倒壊の危険性も抱えていたことが指摘されています。築年数が経過したお住まいでは、なおさら床下の状態を把握しておくことが大切です。

もうひとつ、被害が出やすい場所についての知見もお伝えします。昭和40年代以降に建てられた比較的新しい住宅では、柱・土台・筋交い・外壁といった主要部分よりも、それ以外の部位で腐れやシロアリ被害が起こる率が高いことが報告されています。具体的には、モルタルに覆われたバルコニーの木部、軒先、窓台といった場所です。

ヤマトシロアリの被害は、一般に地面から1メートル程度までの高さに限られると考えられています。しかし雨水の浸入がある場合には、2階まで被害が及んだ実例も報告されています。「床下だけ見ておけば安心」とは言い切れないのが、現場の実感でもあります。

シロアリ被害が出やすい高さと場所
2階以上
通常は被害が及びません。ただし雨水の浸入がある場合、2階まで被害が到達した実例が報告されています。
見落とされやすい場所(昭和40年代以降の住宅)
モルタルに覆われたバルコニーの木部/軒先/窓台など。主要構造部より、こうした部位で腐れや被害が起こる率が高いと報告されています。
地面から約1m以内 ← 最も被害が集中
ヤマトシロアリの被害は、一般にこの高さまでに限られると考えられています。土台・柱の下部・耐力壁の下部が危険域です。
床下・土壌 = 侵入経路
シロアリは土の中に巣をつくり、地面の下から侵入します。だからこそ土壌への薬剤処理が予防の要になります。

※築後30年以上でシロアリ被害を受けた住宅は食害の進行が早く、地震だけでなく台風による倒壊の危険性も指摘されています。

耐力壁の被害を受けた家は倒壊する可能性が高まる

「耐力壁」の被害を受けた家は、万が一の地震発生時、倒壊する可能性がより高まります。

地震大国である日本では、家族が安心して暮らしていくためにも地震に強い家づくりが重要になることはいうまでもありません。

地震に強い家とは、さまざまな要素が必要となりますが、そのひとつに「耐力壁」の設置が挙げられます。

「耐力壁」とは、いくつかの種類がありますが、なかでもよく見られるものといえば、柱と柱の間に斜めの補強材を入れた、いわゆる「筋交い」を設けた壁です。

「耐力壁」は、量やバランスなど、適正に配置することで、地震発生時の揺れに対して強い家をつくることが可能となります。

しかし、その一方で、正常に機能しないと揺れに耐えることはできません。

そのため、「耐力壁」がシロアリの被害を受けると、必要な耐力は損なわれ、倒壊するリスクが一気に高まるわけです。

床下にシロアリが侵入すると、当然に「耐力壁」についても被害を受ける可能性があるため、できるだけ早く対処することが重要になります。

倒壊しそうな木材

腐れが生じている家は倒壊する可能性が高まる

重要構造に腐れが生じている家は、万が一の地震発生時、倒壊する可能性が高まります。

そして、建物にとって脅威となるのはシロアリだけではありません。

「木材腐朽菌」は、シロアリと同様に木材の主要成分を分解して栄養源としているため、発生により、著しい強度低下を引き起こす恐れがあります。

また、「木材腐朽菌」は、「栄養」「温度」「水分」「酸素」の4つの要素がすべて揃った環境を好み、生育します。

これは、シロアリが好む環境でもあることから、例えば「木材腐朽菌」が生育していると、シロアリの被害も同時に受けているといったケースも珍しくありません。

住宅においては、小屋裏や壁内、床下などが「木材腐朽菌」の好む環境になりやすく、耐力壁などの重要構造に影響が及ぶと、必要な耐力は損なわれ、倒壊するリスクは一気に高まります。

なお、「木材腐朽菌」に関する詳しい内容は、以下の記事を参考にしてください。

シロアリの被害を防ぐ効果的な対策とは

シロアリの被害は、どのような住宅でも受ける可能性があるため、しっかりと対策をしておくことが重要になります。

シロアリの被害を受けないための効果的な対策とは、おもに以下のことが挙げられます。

  • シロアリの好む環境をつくらない
  • 薬剤散布による予防

シロアリの好む環境をつくらない

シロアリの被害を受けないためには、シロアリの好む環境をつくらないことが重要なポイントとなります。

シロアリが好むのは、おもに以下のような環境です。

エサがある
木材・古材・段ボール・切り株など
湿気が多い
水まわり・雨漏り・結露・通気不良の床下
日当たりが悪い
シロアリは光を嫌い、暗い場所を好みます

3つめの「日当たりが悪い」には、はっきりとした理由があります。研究では、ヤマトシロアリが特定の波長より短い光を避ける行動をとることが確認されています。シロアリは光そのものを嫌うため、土の中や木材の内部、蟻道と呼ばれるトンネルの中だけを移動するのです。だからこそ、被害は目に見えない場所で進行します。

このような環境が床下や建物周辺にできないよう、意識して取り組むことが重要になります。

なおシロアリが好む環境をつくらないための方法は、以下の記事を参考にしてください。

薬剤散布による予防

シロアリの被害を受けないためには、薬剤散布による予防を行うことが重要なポイントとなります。

シロアリは土の中に巣をつくって住処としており、地面の下から侵入してくるため、道筋となる床面に対して薬剤を散布しておくことで、効果的に予防できます。

なお、ヤマト産業が行う薬剤散布による施工は、以下の記事を参考にしてください。

まとめ

シロアリの被害を受けた家は、直ちに倒壊することはほとんどありません。

しかし、万が一の地震発生時には、本来有しているはずの耐震性を発揮できず、家族の安全を守れない可能性があります

地震は、いつ、どこで起こるかわかりません。

地震発生時においても、本来の耐震性を発揮できるよう、シロアリ対策は必須となるのです。

ヤマト産業では、薬剤散布によるシロアリ対策のほか、木材腐朽菌対策となる床下の換気工事や調湿工事なども行っています。

シロアリや木材腐朽菌の対策を検討している方は、お気軽にご相談ください。

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中岡 亘由

この記事を監修した人

ヤマト産業取締役。シロアリ業界歴約30年。”コワモテ”だが、部下からは優しいと定評があります(笑)シロアリ駆除、防除、雨漏り防水のコトなら何でも聞いてください!

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京都のシロアリ駆除・雨漏り防水工事専門業者ヤマト産業。寺社仏閣や大手会社の請負歴30年、1000件以上の実績。表面波による地盤調査では取り扱い件数No.1の実績があります。シロアリ駆除・雨漏り防水のほか、地盤調査、害虫・害獣駆除、断熱工事、その他リフォームもお任せ!京都・大阪・奈良エリア対応可。