シロアリ駆除で使う「ホウ酸」の効果と注意点を徹底解説
シロアリ駆除で使う「ホウ酸」の効果と注意点を徹底解説

シロアリ駆除で使う「ホウ酸」の効果と注意点を徹底解説

シロアリ駆除で使う薬剤には、さまざまな種類があります。

なかでも、シロアリ駆除の薬剤として「ホウ酸」を使用することがありますが、実際に効果は期待できるのでしょうか?

結論として「ホウ酸」は、シロアリ駆除の薬剤として有効性が認められるものの、注意しておきたい点もあるため、それらを理解して使用することがポイントとなります。

そこで今回は、シロアリ駆除で使う「ホウ酸」の効果と注意点について、徹底解説いたします。

そもそも「ホウ酸」とはなに?

ホウ酸とは、「ホウ酸塩鉱物」を精製してつくられたもので、殺虫剤や医薬品などで使われていることでもよく知られています。

例えば、ゴキブリを駆除するためのホウ酸だんごのほか、目薬やコンタクトレンズの保存液などです。

また、ホウ酸は、シロアリ駆除で一般的に用いられている薬剤のひとつでもあります。

シロアリ駆除の方法としては、ホウ酸だんごや薬剤散布、また木材への加圧注入処理などがあり、いずれもシロアリが食べることで効果を発揮する、いわゆる「食毒」によって駆除するものです。

以上のように、ホウ酸は、私たちにとって身近なものであり、また、シロアリ駆除の薬剤としても一定の効果が期待できるものになります。

シロアリ駆除で使う「ホウ酸」の効果

ホウ酸は、シロアリ駆除の薬剤として使われることがあり、一定の効果が期待できます。

具体的にどのような効果があるのか、簡単に解説いたします。

「ホウ酸」は人体に対しては安全なもの

ホウ酸の特徴として、人間などの哺乳類に対しては安全でありながら、哺乳類以外には駆除効果を発揮するという点が挙げられます。

これは、人間などの哺乳類が有する腎臓をシロアリなどの昆虫は持たないことがその理由です。

例えば、人間などの哺乳類は、ホウ酸を摂取したとしても、腎臓の働きにより短時間で排出されるため、ほとんど影響を受けないとされています。

一方、シロアリなどの昆虫がホウ酸を摂取すると、分解されることなく蓄積し、エネルギー代謝が停止して餓死します。

これが、ホウ酸のシロアリ駆除薬剤として機能するメカニズムです。

ただし、一般的に使われるその他の薬剤と同様に、用法や用量が守られないとリスクがともなう可能性があることは十分に注意しておかなくてはなりません。

「ホウ酸」の効果は長期間持続する

ホウ酸は、無機鉱物由来であることから、設置後においても、分解や揮発が生じることなく、そのまま効果は持続します。

一般に使用されるシロアリ駆除の薬剤の効果は5年で切れますが、ホウ酸の効果は衰えることなく長期間続きます。

「ホウ酸」はにおいがない

ホウ酸は、においがなく、揮発蒸発もしないため、設置後も気になることがありません。

また、シックハウス症候群や化学物質過敏症などを心配する必要がないことから、比較的安全性は高いといえます。

なお、シロアリ駆除で使用する薬剤のにおいや対策については、以下の記事を参考にしてください。

シロアリ駆除で使う「ホウ酸」の注意点

ホウ酸は、シロアリ駆除の薬剤として安全で長期間の効果が期待できるなど、優れた側面はあるものの、一方で注意しておきたいこともあります。

シロアリ駆除で使うホウ酸の注意点について、解説いたします。

「ホウ酸」は水に弱い

ホウ酸は、水に溶けやすい性質を有していることから、水分の影響を受けると簡単に流れてしまい、効果は切れてしまいます。

そのため、雨に濡れやすい外部や湿気の多い床下などでの使用には適しません。

つまり、ホウ酸の効果が期待できるのは、水分の影響を受けない環境であることが条件となるのです。

このことは、湿気が生じやすい日本の一般住宅においては不利となる部分であり、ホウ酸の利点でもある「効果が長期間持続する」ことの妨げとなり得ます。

よって、気付かない間に効果が失われ、無防備な状態になっていたというリスクが生じかねない点は、十分な注意が必要です。

「ホウ酸」は効果が現れるまで時間がかかる

ホウ酸は、シロアリがホウ酸処理を施した木材を巣へ持ち帰り、それを仲間たちが摂取することで効果を発揮します。

しかし、摂取した後、直ちに効果が現れるのではなく、数か月程度かかることが一般的です。

そのため、建物がシロアリの被害を受けた後も、効果を得るまでの間に拡大してしまうリスクがあります。

その点、通常行われる薬剤によりシロアリ駆除は、施工した直後から効果が期待できる方法となります。

「ホウ酸」だけでシロアリの侵入を防ぐことは難しい

ホウ酸は、シロアリが食べることで初めて効果を発揮するものになります。

つまり、シロアリが摂取しない限り、効果は期待できません。

そのため、ホウ酸による木部処理やホウ酸だんごなどは、土壌から上がってくるシロアリの抜本的な対策とはなりにくいといえます

シロアリ対策として最も効果が高いのは、シロアリの侵入を防ぐ土壌処理です。

よって、ホウ酸を用いる場合でも、土壌処理を行い、建物内へのシロアリの侵入を確実に防ぐことが重要なポイントとなります。

なお、薬剤散布による施工に関する詳しい内容は、以下の記事を参考にしてください。

まとめ

シロアリ駆除で使う「ホウ酸」は、非常に優れた特徴がある一方で、いくつかの注意点があります。

シロアリ対策に「ホウ酸」を採用する場合は、特徴を理解したうえで実施することも重要です。

また、効果的にシロアリの駆除を行うには、施工業社選びがポイントとなります

ヤマト産業は、「公益社団法人日本しろあり対策協会」の登録業者であり、認定薬剤を用いて安全に施工を行っています。

シロアリ対策を検討している方は、どのような些細なことでも遠慮なくお問い合わせください。

中岡 亘由

この記事を監修した人

ヤマト産業取締役。シロアリ業界歴約30年。”コワモテ”だが、部下からは優しいと定評があります(笑)シロアリ駆除、防除、雨漏り防水のコトなら何でも聞いてください!

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京都のシロアリ駆除・雨漏り防水工事専門業者ヤマト産業。寺社仏閣や大手会社の請負歴29年、1000件以上の実績。表面波による地盤調査では取り扱い件数No.1の実績があります。シロアリ駆除・雨漏り防水のほか、地盤調査、害虫・害獣駆除、断熱工事、その他リフォームもお任せ!京都・大阪・奈良エリア対応可。