シロアリって、本当に突然現れますよね。ある日、家の柱や床板がボロボロになっているのを指摘されて「えっ、うちにシロアリが?」と驚く方は少なくありません。実際のところ、多くの方がシロアリの存在に気づかないまま被害が進行しているのが現状です。
でも、正しい知識と適切な対策さえ知っていれば、必要以上に恐れることはありません。今回は「ホームセンターで買えるシロアリ駆除剤」に焦点を当て、その選び方から実際の使用方法まで、あなたに分かりやすくお伝えします。
その前に、私たちについて少しご紹介させてください。ヤマト産業は、京都府宇治市に拠点を構え、30年以上にわたりシロアリ駆除のプロフェッショナルとして年間3,000件以上のシロアリ駆除をしております。お伝えするのは私、取締役の中岡。

シロアリ駆除において、私たちは古都を長く守ってきました。シロアリとの戦いは、正しい知識があれば恐れることはありません。一緒に、あなたの大切な家を守りましょう!
下記の動画にも概要をまとめたので、ぜひご覧ください!
【目次】
Toggleホームセンターで購入できるシロアリ駆除剤の選び方
シロアリ駆除で最も重要なステップの1つが「駆除剤選び」です。「どれも同じでしょ?」と思われがちですが、実際には大きく違います。
ホームセンターで購入できるシロアリ駆除剤は、大きく分けて3つのタイプがあるため、まずはあなたの状況に最適なタイプがどれなのかを確認してみてください。
- ピレスロイド系……シロアリを寄せ付けない+駆除もできる
- ネオニコチノイド系、フェニルピラゾール系……シロアリを逃がさずに駆除できる
- ベイト剤……シロアリが食べて効果が現れる餌タイプ
各タイプは異なる作用があり、シロアリ退治においてそれぞれが独自の役割を果たします。適切な駆除剤を選ぶことは、効率的かつ効果的なシロアリ駆除に不可欠です。
ホームセンターで見つかるシロアリ駆除剤の種類
ホームセンターの売り場を歩くと、意外にたくさんのシロアリ駆除剤が並んでいます。でも、パッケージを見ただけではどれが良いのか分からないですよね。
早速、入手可能なシロアリ駆除剤の種類と、選択時のポイントを詳しく解説します。
ピレスロイド系
ピレスロイド系の薬剤は、シロアリの神経系統を麻痺させる働きがあります。効果が早く現れる傾向があり、シロアリに接触すると動きが鈍くなって駆除につながります。
ホームセンターでは、スプレータイプや粉末タイプとして販売されており、使用する場所に応じて選び分けることができます。使用後は比較的短時間で効果が出やすいのも魅力です。
ただし、ピレスロイド系の薬剤には注意点があります。忌避性(シロアリが嫌がって逃げる性質)が高いため、直接シロアリに薬剤をかけることが駆除の条件になるのです。つまり、木材の中や土の中にいるシロアリには薬剤が届かず、シロアリが残ってしまう可能性があります。
さらに、表面に薬剤を散布すると、シロアリが木材の奥深くに逃げ込んでしまい、かえって駆除が難しくなることもあります。そのため、ピレスロイド系は駆除よりも予防対策として使用することをおすすめしています。
ネオニコチノイド系
ネオニコチノイド系薬剤は、ニコチンに似た成分でできた駆除薬です。哺乳類(人間やペット)には比較的安全でありながら、シロアリなどの昆虫に対しては強い駆除効果を発揮します。
この薬剤の一番の特徴は、シロアリが薬剤を警戒せず逃げにくい点です。シロアリが薬剤に気づかずに接触するため、効果的な駆除が期待できます。また、遅効性という性質があり、薬剤を体に付けたシロアリが他のシロアリと触れ合うことで薬剤の効果が広がる「グルーミング効果」が見込めます。
【グルーミング効果のメリット】
- 直接薬剤をかけられないシロアリにも効果が広がる
- 巣全体に効果が波及することも期待できる
さらに、ネオニコチノイド系薬剤は空気中に蒸発しにくく、建物内への拡散が少ない特性があります。においもほとんどないため、使用後の不快感が少ないのも利点です。
自分でシロアリ駆除を行う場合、使いやすさと効果を考えると、ネオニコチノイド系薬剤をおすすめしています。取り扱いが比較的簡単でありながら、シロアリに対して高い効果が見込める薬剤といえるでしょう。
フェニルピラゾール系
フェニルピラゾール系の薬剤は、シロアリの神経伝達を阻害する特性によって駆除効果を発揮します。
少量でも強い殺虫効果があるのが特徴です。また、ネオニコチノイド系と同じように忌避性がないため、シロアリ同士の接触による効果の広がりが期待できます。
強い効果とドミノ効果により、シロアリ駆除では有力な選択肢となりますが、製品によって成分や濃度が異なります。そのため、使用方法については必ず各製品の説明書を確認することが重要です。
ベイト剤
ベイト剤は、シロアリが食べることで効果を発揮する餌タイプの駆除剤です。巣にいる他のシロアリにも影響を与えられるのが大きな特徴です。
ベイト剤を食べたシロアリが巣に戻って死ぬと、その死骸を別のシロアリが食べて連鎖的に効果が広がります。この性質を利用して、巣ごと壊滅させることを狙った駆除方法です。
【ベイト剤の仕組み】
- シロアリが餌として摂取する
- 効果が現れるまで時間がかかる(遅効性)
- 巣に持ち帰って仲間にも分け与える
- 連鎖的に巣全体に効果が広がる
ベイト剤は、シロアリの習性をうまく利用した効果的な駆除手段として、多くの現場で活用されています。
シロアリ駆除剤を選ぶ際のポイント
シロアリ駆除は大切な家を守るために欠かせない対策ですが、「本当に効果があるのかな?」と不安に思うのは当然ですよね。
効果的な駆除剤を選ぶためには、いくつかの重要なポイントがあります。以下のポイントを参考にして、あなたの状況に最適な駆除剤を見つけてください。
駆除対象のシロアリの種類を特定する
実は、シロアリにはいくつかの種類があります。日本で主に被害を与えるのは以下の2種類です。
- ヤマトシロアリ(大規模な巣を作らず、分巣により数を増やす種類)
- イエシロアリ(地中や建物内に大きな巣を作る種類)
これらのシロアリは、それぞれ異なる生態を持っているため、効果的な駆除を行うには種類ごとの特性を正しく理解することが重要です。
ヤマトシロアリもイエシロアリも、湿った床下などに発生することが多いですが、大きな違いは「水分を運ぶ能力」にあります。
ヤマトシロアリは水を運ぶ力が弱く、雨漏りや水漏れなど明確な水源がなければ、建物の上部まで被害を及ぼすことはほとんどありません。一方、イエシロアリは水を運ぶ能力が非常に高く、地中から建物全体に広がるように被害を拡大させることができ、時には屋根裏まで加害されるケースもあります。
このように、被害の広がり方や生息環境が異なるため、駆除方法も変わってきます。
たとえば、ヤマトシロアリには床下中心の処理が効果的ですが、イエシロアリの場合は建物全体への広範囲な対策が必要になることがあります。
適切な駆除を行うためには、まず被害を与えているシロアリの種類を正しく見極めることが大切です。種類に応じた処置を行うことで、より効果的な駆除が期待できます。
駆除したいエリアの特定
シロアリの被害が見られる場所や、駆除剤を使用したいエリアを明確にすることも、最適な駆除剤選びには欠かせません。
屋内の床下や壁の中など特定の木材を対象とする場合は、ピレスロイド系やネオニコチノイド系の薬剤が適しています。また、使用するエリアによって適した駆除剤の形状も変わってきます。
- スプレータイプ:狭い隙間や局所的な処理に適している
- 液状タイプ:広範囲の散布や土壌処理に向いている
- 固形ベイト:シロアリの通り道や巣の近くに設置
対象エリアを正確に把握することで、最も効果が期待できる駆除剤を選択できるようになります。

安全性と環境への配慮
家庭内でシロアリ駆除剤を使用する際は、何よりも安全性を重視する必要があります。特に小さなお子さんやペットがいるご家庭では、非毒性または低毒性の薬剤を選ぶことが望ましいでしょう。
【安全に使用するためのチェックポイント】
- 製品ラベルや説明書を必ず確認する
- 使用後の換気方法を理解する
- 薬剤が皮膚や目に触れないよう保護措置を取る
- 子どもやペットの手の届かない場所で保管する
また、長期的な環境への影響を考慮して、生分解性の高い薬剤を選択することもおすすめします。環境に優しい駆除剤なら使用しやすくなります。
専門家の意見を参考にする
シロアリ駆除は専門的な知識が必要になる場合が多く、一般の方が最適な駆除方法を判断するのは簡単ではありません。特に駆除剤の選択に迷ったり、被害の程度が深刻に感じた場合は、専門家に相談することをおすすめします。
プロのシロアリ駆除業者は、以下のような豊富な経験と専門知識を持っています。
- 被害状況を詳細に評価できる
- 最適な駆除計画を立案できる
- シロアリの種類を正確に特定できる
専門家の助言を得ることで、より効果的かつ安全にシロアリ問題を対処できます。1人で悩まずに、プロの力を借りることも選択肢の1つとして考えてみてくださいね。
ホームセンターの薬剤でシロアリ駆除ができる建物
残念ながら、ホームセンターの薬剤による駆除がすべての建物で効果的とはいえません。ある程度条件が限られているのが実情です。
条件 | 例 |
---|---|
基礎断熱が入っていない建物 | 古い木造住宅、一部のアパートメント |
在来工法ではない風呂やトイレの場合 | 新しい住宅、アパートメントの一般的な設計 |
床下に進入口があり点検可能な場合 | 住宅や建物の底部に点検口や通気口がある場合 |
床下に人が入ることが可能な建物 | 床高が十分にある建物 |
これらの条件がそろっている場合は、ホームセンターで入手できるシロアリ駆除剤を使用することで、効果的な駆除が期待できます。ただし、条件に当てはまらない建物では、プロの業者に依頼した方が確実です。
ホームセンターで購入できる駆除剤による駆除方法
実際にDIYでシロアリ駆除を行う場合、想像以上に多くの薬剤が必要になることをご存じですか?
シロアリ対策協会の定める防除仕様書では、効果的な駆除を行うための適切な薬剤散布量や方法が定められています。専門的な駆除では、床下全体に十分な薬剤を散布する必要があり、一般的な住宅でも相当量の薬剤が必要になります。
ただし、ホームセンターで入手できる薬剤は希釈倍率が比較的高いため、原液を大量に購入することになります。また、一部の箇所では木材や土間に穴を開ける作業が必要で、これには専門的な道具が欠かせません。
ホームセンターで購入した薬剤の使用方法や希釈倍率、穴の開け方などは製品ごとに異なります。必ず各製品の説明書を丁寧に確認してから作業を始めましょう。
それでは、シロアリ駆除の基本的な手順を解説します。
1.養生
養生作業は地味ですが、とても重要な工程です。まず床養生を行い、ホースが通る箇所を保護して、床を傷や汚れから守ります。同時に、点検口周りも丁寧に養生します。
【養生のポイント】
- 床にビニールシートや養生テープを敷く
- 点検口は特に傷つきやすいため念入りに保護
- 薬剤がこぼれても大丈夫なように周辺を覆う
- 作業後の清掃を楽にするための準備も行う
2.木部薬剤注入
木部への薬剤注入は、シロアリ駆除の核心部分です。シロアリの被害を受けた木材に穿孔(せんこう・穴あけ)を行い、そこに薬剤を注入します。この処理により、木材内部のシロアリに対して効果が期待できます。
【床下での作業手順】
- 被害を受けた木材を特定する
- 適切な間隔で穴を開ける
- 薬剤を注入する
- 床下全体に薬剤を散布する
木材の内部は外から見えないため、慎重に作業を進める必要があります。

3. 土壌散布
土壌散布処理では、床下の土壌に専用の薬剤を散布します。この処理により、地中からのシロアリの侵入を予防する効果が期待できます。地中からのシロアリの動きを制限し、建物への侵入を防ぐ重要な工程です。
【土壌散布のコツ】
- 土壌全体に均等に散布する
- 薬剤が土にしっかり浸透するよう散布する
- 基礎周辺は特に念入りに処理する
- 散布後は一定期間立ち入りを控える
4.壁面・土間薬剤注入
土間(どま・コンクリートの床)の処理では、土間に穴を開けて薬剤を注入します。この処理により、土間の下に潜むシロアリに対して駆除剤の効果が期待できます。
穿孔個所の補修作業では、開けた穴をモルタルなどを使用してきれいに補修し、見た目を整えます。この補修作業も、建物の美観を保つために重要な工程です。
【作業完了後のチェックポイント】
- 穴がしっかり埋まっているか確認する
- 薬剤がもれていないか点検する
- 養生材を適切に撤去する
- 作業箇所の清掃する
以上が、ホームセンターで購入した駆除剤を使ったシロアリ駆除の基本的な流れです。シロアリ駆除の方法と手順について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
シロアリ駆除はプロに任せるのがおすすめ
ここまでホームセンターで購入できる薬剤を使ったシロアリ駆除について、詳しく解説してきました。確かに、ホームセンターの薬剤でも対処は可能です。でも正直にお話しすると、自分でやる場合はやはりリスクが伴うことを理解しておきましょう。
建物の構造や被害状況によっては、思わぬ問題が生じるおそれがあるため、適切な対処が必要になります。これは当社の営業トークではありません。シロアリを30年以上見続けてきた専門家として、シロアリ駆除はプロに依頼することをおすすめしています。
では具体的になぜそう思うのか、自分でシロアリ駆除をやる場合とプロに任せる場合を比較してみましょう。きっと、その理由がよく分かるはずです。
自分でやる場合と専門家による処理の比較
自分でやる場合
- コスト:
初期費用は低く抑えられる場合が多いです。薬剤代と道具代だけなら、数万円程度で済むこともあります。 - 知識と経験:
シロアリ駆除に関する知識や経験に依存するため、効果的な駆除が難しい場合があります。「なんとなく薬剤をまいておけば大丈夫」という考えでは、根本的な解決につながらないことも少なくありません。 - 時間と労力:
調査から薬剤選定、実際の処理まで、想像以上に多大な時間と労力が必要です。平日は仕事、休日は家族の時間となると、なかなか作業時間を確保するのも大変になります。 - 安全性:
薬剤の取り扱いに慣れていない場合、自分や家族、ペットの安全にリスクが生じるおそれがあります。特に狭い床下での作業は、思わぬ事故につながることもあるでしょう。
専門家による処理
- コスト:
初期費用は高めになりますが、長期的な視点で見るとコストパフォーマンスが良い場合が多いです。再発リスクが低く、結果的に安上がりになることも珍しくありません。 - 知識と経験:
専門家はシロアリ駆除に関する豊富な知識と実績を持っており、より効果的な駆除が期待できます。シロアリの種類や被害状況に応じた最適な方法を選択してくれるでしょう。 - 時間と労力:
専門家に任せることで、あなたの時間と労力の負担を大きく軽減できます。「お任せします」の一言で、面倒な作業から解放されるのは大きなメリットです。 - 安全性:
専門的な知識を持つプロが適切な薬剤を安全に使用します。作業に慣れているため、事故のリスクも最小限に抑えられます。

プロのシロアリ駆除業者が選ばれる理由をさらに詳しく見てみましょう。
- シロアリの生態や巣の特徴を熟知している
- 的確な診断と適切な対策を実施できる
- 見えない場所の被害も迅速に発見できる
- 高度な技術や専門機材を駆使した駆除ができる
- 建物の床下や壁の中など、困難な箇所での作業ができる
- 薬剤の使用や穿孔作業など、特殊な技術に長けている
また、プロの業者が提供する保証やアフターサービスも見逃せません。施工後にシロアリの再発があった場合でも、保証期間内であれば再度対応してくれます。これにより、駆除後の心配が少なく、長期的な安心を確保できることでしょう。
「せっかく自分でやったのに、また出てきた…」なんて心配をしなくて済むのは、本当に心強いですよね。
まとめ
この記事では、ホームセンターで購入できるシロアリ駆除剤の選び方から使用方法まで詳しく解説してきました。シロアリとの戦いは、正しい知識があれば必要以上に恐れることはありません。
ただし、30年以上の経験を踏まえてお話しすると、専門的な知識や適切な方法を理解していないとシロアリ駆除はリスクの方が大きくなる場合があります。
では、なぜシロアリ駆除をプロに任せるべきなのか。その理由を最後にまとめてみました。
- 正確な診断とカスタマイズされた駆除計画
プロは被害の程度やシロアリの種類を正確に特定し、あなたの家に最適な駆除計画を立てます。自分で処理する場合に見落としがちな細かな被害も見つけ出し、効果的な解決策を提案します。 - 最新の技術と薬剤の利用
プロは最新の技術と、一般では入手困難な専門的な薬剤を使用します。これによって、より迅速で安全、そしてより効果的なシロアリ駆除が期待できます。 - 長期的な保証とフォローアップ
多くの専門業者は施工後の保証や定期的なフォローアップを提供しています。これにより、駆除後も長期的な安心を得ることができるでしょう。「また出てきたら嫌だ…」という不安から解放されるのは大きなメリットです。 - リスクの最小化
シロアリ駆除に伴うリスク、特に薬剤による健康への懸念や、不適切な処理によるシロアリの再発リスクを最小限に抑えることができます。
プロによるシロアリ駆除は、専門的な知識と技術、そして長期的な安心を考慮すると、多くの場合、自分でやるよりもはるかに効果的で安全な選択肢といえるでしょう。大切な家と家族をシロアリの脅威から守るために、プロの力を借りることも検討してみてくださいね。
もし関西にお住まいでしたら、私たちヤマト産業がお力になります。30年のシロアリ駆除実績があり、シロアリの侵入経路や原因をしっかりと突き止めて適切に施工し、予防処置まで行います。
調査費用が「無料」という点も魅力です。「うちは大丈夫かな?」と少しでも心配になったら、まずは無料調査を受けてみてください。
シロアリ被害やシロアリ対策にお困りの際は、お気軽にご相談くださいね。あなたの大切な家を一緒に守らせていただきます。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。正しい知識を身につけて、シロアリから大切な家を守っていきましょう。
